【特集】生まれ変わる横町商店街 道路の拡幅工事で…移転に悩む店主の思い 秋田市
■創業94年 古書店の3代目の複雑な思い
横町商店街にある「板澤書房」。
店舗だけで2万冊、倉庫もあわせると、10万冊の在庫を誇る、1931年・昭和6年から続く、まちの古書店です。
3代目店主の板澤吉将さんは、43歳。
祖父、父と続いた店を、2年前に引き継ぎました。
しかし、通りの拡幅にあたって、店の半分以上が道路と歩道になる予定です。
敷地が限られているため、いまの店を後ろに下げるなど移動させることはできません。
移転費用などの交渉も、簡単には進まないのが現状です。
板澤吉将 店主
「これが動くとなると、うんと土地が空いてないと、まずしょうがないですし、お持ち込みの買い取りもあるので、そうなると駐車場がなくて、本を持ってきて欲しいというのは、これはなかなか難しいなと」
田村修アナウンサー
「いまここは駐車場はないんですか ?」
板澤 店主
「ないんです、はい」
田村アナ
「ということは、もし移転するんであれば、駐車場をつけなきゃいけない」
板澤 店主
「そうですね」
田村アナ
「駐車場を付けるとなるとその費用は自分でやってくれって」
板澤 店主
「そういうことです」
板澤さんは、道路の拡幅にはおおむね賛成しています。
ただ「同じ程度の店を造る」というのが前提の移転補償で、やむを得ずかかり増しになる費用をどうするかや、そもそも移転先を見つけるのにも難航。
さらに、資材価格の高騰で、時間が経てば経つほど市から提示された補償額で建てられる新たな店の規模が限られてきます。
板澤吉将 店主
「動きたくない部分と、時代にフィットしながら、自分のこれからの商売の仕方にもハード面を寄せていけるんであれば、そっちの方がいいなという思いもありながら、半々か… 6対4で、6が動いていいかなというような」
横町商店街の中には、すでに移転したり、移転先が決まっていたりする店がある一方、交渉はこれからという店もあります。
市と県が進める都市計画道路の最後の工事区間、横町通り。
多くの買い物客や酒好きの人でにぎわってきた通りは、計画通りにいけば、いまから5年以内に車の対面通行が始まり、その姿を大きく変えることになります。