特集【日本タンポポの里を目指して】 秋田県大仙市 今野孝一さんの挑戦
今野さんが手塩にかけた峰吉川地区の日本タンポポは
来週いっぱいが見頃です。
日本タンポポの里と呼ばれる日を目指してこれからも今野さんの挑戦は続きます。
取材ノート
「たんぽぽ博士」の異名を取る今野孝一さんとの出会いは、
コロナ禍真っ只中の2021年初夏でした。
「この辺りをぐるっと一周、日本タンポポでいっぱいにしたい」。
その思いは、タンポポの黄色がひとつも見当たらない、雑草が生い茂る畑の中で聞きました。
あれから3年。
今野さんの畑では、小さいながらも可憐に、黄色いタンポポが足元で咲き誇っていました。
とはいえ今野さんからは
「今年は1年目、西洋タンポポも混じっているし、まだまだ」と厳しい言葉も。
それでも、お話を聞いているうちに今野さんの口元は緩み始め、瞳には力強さが浮かびました。
「来年はぶわーっと一面に咲いた日本タンポポを見せたい。いや、絶対見せます」。
今年の不完全な畑を公開するのは、来年に向けた決意表明です。
今野さんの挑戦の春に立ち会うことができ、光栄でした。
来春、峰吉川を染める黄色一面の景色が見られますように。
関向良子