14年目の3・11 秋田県内各地でも鎮魂や追悼 復興の祈り
そして迎えた地震発生時刻…
宮城県気仙沼市から避難 金雄二さん(74歳)
「たちまち車が浮かされて、浮かされた途端にさっと下がったっけダーンと水入ってきて、ドアあがねんだせば、逆にあのスライドするほうは開いたからほんで俺助かったの、後ろの座席のほうさ回ってスライドで空いたから助かって、まず胸まで水浸かったけんどもそれで逃げて、すぐ近所の塀さよじ登ったからほんで俺は助かった」
県内に避難してきた被災者は、すぐに自分の経験を話せた人ばかりではありません。このような会を通じて同じような経験をした人と交流したり、支援者の力を借りたりしながら少しずつ周りに話せるようになってきた人も多いといいます。
14年が経ち、震災を経験していない世代も増えてきました。会の参加者たちは、復興に向けて前を向きながら、自らの経験を語り継いでいます。
福島県浪江町から避難 林律子さん(77歳)
「うれしいっていう言葉を出せるように、ずっと努力してきました。この14年、もうね、下向いてもいいことないので、常に前向いて、"あんたはね前向きすぎだよ"なんてよく言われるんですけど」
福島県田村郡小野町から避難 高橋和美さん(73歳)
「我々せっかく未曽有の体験したんだからそれを伝えていかないと、どんどん消えていくんじゃないかと思って」「自然災害にパターンもマニュアルもないわけですよ、どんな形で襲ってくるかわかんない、ですからその瞬間に自分の身をどう守るか、そして自分だけじゃできないときは隣近所、ほんっとにそれが大事なことだと思いますよ」
能代市の日吉神社では東日本大震災と合わせて、岩手県の山林火災からの復興も祈る祝詞のほか、世界の平和を願う舞が奉納されました。
少しずつ歩みを進めている被災地。各地から復興への願いが寄せられました。
♪真っ白な雪道に春風香る わたしはなつかしいあの街を思い出す
12道府県の21の会場で行われた「ストリートピアノでつなぐ祈りのハーモニー」。亡くなった人たち、そして今を生きる人たちに全国で、同じ時間帯に歌で祈りを捧げました。歌う曲は「花は咲く」。震災復興応援のために作られたチャリティーソングです。
♪誰かの歌が聞こえる 誰かを励ましてる 誰かの笑顔が見える 悲しみの向こう側に
花は 花は 花は咲く いつか生まれる君にわたしは何を残しただろう
今井卓也さん
「まあいつわからない災害、それがいつ自分の身に降りかかるかも分かりませんので、日々感謝して、あの小さなことにこう幸せな気持ちをもって生きていければと思います」
追悼と復興への願いが込められた灯かり。
温かい光とともにメッセージが浮かび上がり、訪れた人たちが被災地に思いをはせました。
風化させてはいけない、伝えていかなければならない。
震災の記憶と教訓をつないでいこうと、今年も県内各地で鎮魂や追悼、それに復興への祈りが捧げられました。