【戦後80年】墜落したB29の痕跡を求めて…道なき道を行く探検家 探索にカメラが同行 新たな発見が次々と
■様々な思いを胸に 道なき道の先で新たな発見
長い時を経て、風化が懸念される戦争の記憶を伝え継ぐ足掛かりにしたいと、髙橋さんは探索を続けています。
髙橋さん
「ここで亡くなった人も当然ですけど、加茂青砂から救いに来た人なんかの、そういう思いとかも、小さいながらも全てここに凝縮されているような」
残された痕跡をもとに迫る、当時の出来事。
髙橋さん
「あのピンクのマーキングのところが、一つ遺物を発見した場所で、実はあの辺一帯が結構平らなんですよね。ですから今まで降りてきたこういう、この直角に対して、急にそこだけちょっと、不自然な感じで平らになっていて」
「西側からまっすぐ飛んできて、山にドーンとぶつかったっていう証言があって、加茂青砂から西側っていうとまさにこっち側」
標高715メートルの本山。
その中腹にB29が墜落したとみられています。
髙橋さんがこれまでに見つけた機体の一部もそれぞれ近い位置にありました。
今回の探索も、その周辺が中心です。
市職員
「髙橋さん、ワイヤー」
髙橋さん
「ワイヤー。おおすごい」
「ありました」
まずは同行していた男鹿市の職員が、金属を発見。
髙橋さん
「これですね。ワイヤー部分っていうのは、この地帯一帯がB29の墜落した場所なので」
「こういう形で地面に露出しているものというのも何か所かあるので」
この日はほかにも次々と“新たな発見”がありました。
髙橋さん
「焼けていますね」
「先端が焼けているんですよ」
B29の内装の一部とみられる、焼け焦げた布。
髙橋さん
「あの大きい機体が墜落して、いろんなのが粉々になったというのは頭ではわかりますけど、こんな内部のものまで引き裂いて、なんか想像を超えた力っていうか、相当その衝撃っていうのは大きかったんだろうなって」
「これ分かりますよ、私。多分クリップですよ。あの油圧の」
「すでに見つけてB29と言われているものの、油圧のパイプと金属の部品をつなぐクリップがあるんですけど」
「クリップにこの手のゴムというか、使われていまして」
本山にはまだ、大人の背丈ほどもあるB29の一部が残されているとみられています。
髙橋さんはこの先も捜し続けることにしています。
髙橋さん
「ここまでヒットするというか、核心部分が見つかったので、その大きいものっていうのがどこに潜んでいるのかっていう。その最後のその答えが見つかると、今まで見つかったエリアとの関係性から、より詳しい実態が見えてくるでしょうし」
髙橋さんは、見つけたB29の一部などをもとに、当時を知る人をたどる活動も進めていて、知られざる歴史に、改めて光を当てることにしています。