【特集】中学2年の相撲少年・佐々木陽希さんが東日本選抜大会に出場 個人戦で東日本の頂点へ
■3人で臨む団体戦 秋田西の挑戦
子どもの数が減り、メンバー不足になるのはどこも同じ。
それでも。
「いやいやいや。全員で集まらないとダメでしょ」
競技にかける青春の姿は、今も昔も変わりません。
「俺言うから…優勝するぞって言うから…」
「頑張るぞ?」
「じゃあ…ダサい?勝つ?」
秋田西、初めての円陣です。
「勝ちにいくぞって言うから、オーって言って」
「勝ちにいくぞ!」
「オー」
「オー」
「オー」
「やっぱダメ」
「なんで」
団体戦は、それぞれ3つのチームと対戦し、決勝トーナメントの出場枠を争います。
しかし、これは、東日本選抜大会。
そんなに甘くはありません。
2チームに敗れた秋田西。
この試合も先鋒戦をとられ、後がありません。
中堅・畑山さんの相手は、福島の3年生です。
粘りの相撲で大金星。
先輩に、後を託します。
寄り切って、大将戦でも勝利。
秋田西、このメンバーでの初勝利です。
「3人でミーティングしてれ」
「はい」
「ちょっと(腰)上げすぎだと思う」
「イメトレイメトレ」
「で、この状態でバッといく」
上位進出は果たせませんでしたが、勝利の味は格別だったようです。
秋田西中 2年 堀井悠真 主将
「まだ細いなと感じた。もうちょっと筋肉をつけていきたいな、そう思いました」
■個人戦に挑む陽希さん ライバルとの勝負の結果は?
続く、個人戦、いよいよ陽希さんの出番です。
小学4年生の時に出場した全国大会で準優勝。
以来、学年別では、日本トップクラスの成績を収めてきました。
そんな陽希さんにとって、全国大会に一度も行けなかった昨年度は、悔しさが募るものでした。
各県から強豪と関係者が集まるこの大会は、自分の現在地を知る、いわば試金石。
成長した姿を見せつけます。
次の相手は、合川の3年生で、エースの成田虎六久さん。
去年の全県総体では、陽希さんが勝利。
しかし、秋の新人戦では、成田さんが勝利しています。
およそ30秒の力勝負。
「痛くしたの?」
「右の方痛いっす」
足を痛めながらも、決勝までたどり着きました。
引き落としで、陽希さんが勝利。
2年生で、東日本の頂点に立ちました。
陽希さん
「マジでうれしい。西中…よく部活作れたな、最高」
ちょっとだけ、本音ものぞかせた陽希さん。
様々な経験を積みながら、自分だけの相撲道を突き進みます。
佐々木陽希さん
「県外に行った先輩がいるんですけど、その先輩に『秋田で頑張って、全中も都道府県大会も頑張って行けよ』って言われたので、全国大会に行っても、相手が年上でも、負けない相撲をとります」