なぜ業務短縮に成功したのか?幼稚園が「トヨタ式」で働き方改革、“おもちゃ”に着手したカイゼンの中身とは? 岐阜・大垣市

業務短縮に成功!「働きがいを感じる」
岐阜県大垣市にある『キートスガーデン幼稚園』が導入したのは、トヨタ自動車が独自に考案した「トヨタ式カイゼン」。業務プロセスを見直すことで作業の無駄を省き、作業効率の向上を目指す取り組みで、さまざまな企業でも採用されています。
なぜ同園は、トヨタ式カイゼンを導入したのでしょうか。
同園がトヨタ式カイゼンを実践したのは、令和5年度末から令和6年度まで1年間。同園担当者によると、実践の目的は、仕事のパフォーマンスをあげること、無駄時間を節約すること、園児と過ごす時間を確保すること、働きがいを向上させること、園児へ文化的・教育的価値を伝えていくことだったといいます。
カイゼンの実践によって、同園は“業務の短縮”などに成功。担当者は、「職員同士協力している意識が高まり、働きやすさ、働き甲斐を感じています」と効果について振り返りました。
保育現場が取り組んだ、トヨタ式“カイゼン”の中身とは?
1年間で10項目のカイゼンに取り組んできたという同園。一体、どんなカイゼンで、どのような効果を得ることができたのでしょうか。10項目のうち、3項目を教えてもらいました。
1つ目は、「ワゴンのおもちゃのカイゼン」。各部屋のおもちゃの在庫数をチェックし、整理整頓を行ったといいます。
担当者曰く、「おもちゃの片付け場所が部屋ごと、先生ごとで違っていたため、子どもたちや先生が戸惑う姿が見られた」という整理状況。おもちゃの片付け方を整えることで、片付けにかかる時間を削減することが目的だったといいます。
カイゼンによって、おもちゃの個数などの把握がスムーズに変化。担当者は効果について、「子どもたちが自分でおもちゃを出し入れすることで自発性、主体性が育ち、行事の際の部屋の設定が簡易的になったなどの効果が得られました」と明かしました。
2つ目は、「トイレ掃除のカイゼン」。作業工程手順書を作成し、業務の標準化を図ったといいます。カイゼンを経て、「誰が掃除をしても、同じ綺麗さを保てるようになった」という同園のトイレ。子どもたちからも、“綺麗になって気持ちが良い”などの声も寄せられたといいます。