小学１年生の通知表廃止「よりよい成長につなげたい」
岐阜県美濃市は、今年度の１年生から通知表を廃止することを決定。来年度以降は２年生まで廃止し、通知表は３年生以上にする方針を発表しました。
通知表廃止について美濃市民からは、「通知表は学校での子どもの様子がわかるので、親御さんとしては廃止されるのは不安な面もある。通知表に代わる評価のものがあればいいと思いますが」という意見も。
また、小学生の子を持つ４０代男性からは、「親としては通知表があった方が子どもの成績が分かるのであった方がいい。個人面談で親との面談をちゃんとするということなので、自分の子どもについて担任の先生としっかり話ができるならいいと思う」という声が寄せられました。
通知表廃止の狙いについて、美濃市教育委員会・島田昌紀教育長は、「小学校に入学したばかりで、人と比較したり、〇の数が多いとか少ないとか、そういったことで少しでも序列や劣等感を防ぎたい」と話し、続けて「自分にいいところがある、僕はここが得意だよと、子どもたちも感じながら、保護者もそういった目で見ていただくことで、子どもたちのよりよい成長につなげたい思いでやっています」と狙いを明かしました。
通知表を廃止した小学校の“その後”は…？
通知表を出すか出さないかは、それぞれの学校の校長が判断しています。他地域の学校は、通知表をどのようにしているのでしょうか。
長野県の伊那小学校では、1956年度から通知表を廃止。児童数は約600人、全学年が対象となっています。通知表がない代わりに、学期ごとに、先生と保護者による１対１の懇談会を実施。そのなかで、学校での子どもたち一人一人の様子や教科ごとの課題を伝えているといいます。
一方、2020年度から通知表を廃止した、神奈川県の香川小学校では、今年度から通知表を復活。アンケートを実施したところ、同学校の卒業生と保護者から、「学習成績を数値的に示してほしい」という意見が寄せられたことから、今年度から通知表に近いかたちで、学習成績を示す方針に変更しました。
美濃市にとって、初めての取り組み。同市の小学校は、保護者との懇談会を今まで以上に充実させるとし、年度末には、これまで通りの「総合所見」と「修了証」を手渡すといいます。
