長久手市でプレーパーク体験会開催 子どもの自主性や想像力を尊重 愛知・長久手市「平成子ども塾」
愛知県長久手市の「平成こども塾」で11月23日、子どもが既存の遊具などを利用せず、想像力を豊かに発揮して自由に遊ぶ「プレーパーク」の体験会が開催されました。
2019年から毎年1回実施されている行事で、小中学生30人に保護者らを合わせた45人が参加し、木材で手作りした遊具や自らの手で加工した竹材で講師と共に遊び、楽しく一日を過ごしました。
プレーパークはデンマーク発祥で、公園とは異なり、子どもの遊びに関わる「プレーリーダー」と呼ばれる専門スタッフが常駐して、子どもたちを見守ります。子どもたちが創造性を駆使して自然の中で自由にのびのびと遊ぶ趣旨で運営されます。
愛知県内でも、名古屋市天白区の「てんぱくプレーパーク」、知多市の「そうりプレーパーク」などが知られています。プレーリーダーは今回、イベント講師の岐阜県立森林文化アカデミー教授の萩原ナバ裕作さんを含む4人が務めました。
体験会で実践された遊びは、のこぎりを使っての工作、加工した木材を用いたすべり台の製作、竹林でのロープワークといった内容。
料理は保護者らと共に行い、鋳鉄鍋のダッチオーブンで野菜スープを作ったり、U字溝を利用しての簡易コンロで木の枝に巻き付けて焼いたパンを食べたりして楽しみました。
平成こども塾は2006年4月にオープンし、長久手市の運営の下、市内の小学校などに野外学習の機会を提供してきました。
しかし、担当者によると、近年では、自主性や想像力を培う機会は子どもが自ら求め、自己の責任で感性を養い能力を磨くことが学習にも遊びにも求められるようになってきたということです。そうした中で、都市公園がプレーパークへと変化を遂げる事例が多くなり、プレーパークは全国で約400カ所を数えるようになってきました(日本冒険遊び場づくり協会2020年度調査)。愛知県内でも都市公園のプレーパーク化の流れは同様です。
平成子ども塾でも、プレーパーク化への機運が高まっていると捉えて体験会を実施し周知を広め、プレーパークの理念に合った施設の運営を模索しています。
担当者は「平成こども塾のプレーパーク化への周知が広がって賛同者が増え、プレーパークの理念を理解し地域に密着した運営者が現れることを願っています」と話しました。