高校生が無料で子どもを預かる「1日保育園」実施 口コミで人気が広まり約400人が利用 コロナ禍という逆境から生まれた“子育て支援”と“学びの場” 少子化対策の新たなモデルケースに

コロナ禍で始めた1日保育園 「行けないのなら来てもらおう」
名古屋市昭和区の桜花学園高校で、6月14日と21日の2日間、保育コースの生徒たちが2~6歳の子どもを無料で預かる「1日保育園」が実施されます。保育実習の一環として行われているこの取り組みは今年で5年目を迎え、これまでに約400人が利用してきました。
担当するのは保育コースの3年生。13人体制で2歳から6歳の子どもたちを半日無料で預かります。生徒たちは事前に授業で保育計画を立て、手遊びや工作、読み聞かせ、身体を動かす総合遊びなど、オリジナルの保育プログラムを考案して実践する予定です。
この取り組みがスタートしたきっかけはコロナ禍でした。同校では長年、近隣の保育園に実習を受け入れてもらっていましたが、新型コロナウイルスの影響で受け入れを断られる事態に。生徒たちの実習先がなくなり困っていたところ、当時の教頭が「行けないのなら来てもらおう」という発想で「1日保育園」を企画したといいます。
初年度は園児募集に苦労したものの、少しずつ口コミで広まり、現在では受付開始からわずか3日ほどで定員が埋まるほどの人気ぶり。リピーターも多く、地域の子育て支援の場として定着しつつあるようです。
過去に利用した保護者からは、「ママ友とのモーニングの時間にできている」「自宅の掃除時間が少しでもできるのが嬉しい」「病院・美容院に行く時間に当てられて大変助かる」「夫婦の時間を持つのに活用させていただいている」という声が寄せられています。
子育て世代にとって、短時間でも子どもを預けられる場所があることは、大きな助けになっているようです。