アメリカトランプ政権の相互関税で県内の輸出産業はダメージを懸念
アメリカのトランプ政権によるいわゆる相互関税が9日発動され、日本に対しても24パーセント関税が課せられることになりました。アメリカに製品を輸出している県内の企業からも業績の悪化を懸念する声が聞かれます。
「梵」のブランドで知られる鯖江市の加藤吉平商店。
世界118か国に日本酒を輸出している会社にとって、輸出量全体のおよそ半分を占めるアメリカは重要な取引相手です。
■加藤吉平商店 加藤団秀代表
「欧州と一緒に日本酒市場をつくり上げてきた市場 その市場が萎むとなると いくらユネスコの世界遺産になったといっても 冷や水を浴びせるような関税をかけるのはびっくりした」
アメリカ・トランプ政権のいわゆる「相互関税」で日本には24パーセントの関税が課せられます。
例えば、日本国内で2000円ほどで流通する日本酒が、輸送コストなどがかかって現地での販売価格が1万円になったとします。
さらに関税が加われば、価格は1万2400円まで引き上げられます。
この関税政策で、貿易赤字の縮小や内需拡大を狙うアメリカ。
加藤代表も以前、現地の経済界からある提案を持ちかけられたといいます。
■加藤団秀代表
「実はアメリカでつくってくれと 運賃も安くなるし アメリカのメーカーになると 輸入品でなくなると そんなは話も出ているが 私としては地元の鯖江で作って それを世界に出したいとの思いが強い」
鯖江商工会議所の会頭を務める加藤代表は、「トランプ関税」が地場産業に及ぼす影響を懸念しています。
■加藤代表
「眼鏡も繊維も漆器も高くなって大変だと思うので 景気後退というか 心配をしているので それをできるだけ早く交渉を始めて 和らげるような段階的な方策で 消費が喚起できるような交渉をしてほしい 」
県内からアメリカへの輸出額は240億円あまり。
最も大きいのはメガネフレーム関連の90億円です。
■仁愛大南保勝教授
「ここ10年来 中国製品がアメリカ市場に入ってくる中で 価格的に強い中国製品に押されてしまう面があるトランプ関税による市場の停滞 ものが売れなくなる2重苦 今のままでいけばようやく持ち直した日本経済が反転して 厳しい状況に追い込まれていくのは免れない」
世界に衝撃を与えているトランプ関税。
県では9日から県庁に相談窓口を設けて、県内企業の支援を行っています。