迫力満点 足羽川ダムの「内部」にも初潜入 ナイトツアーがバージョンアップ
インフラツーリズムという観光スタイルが注目を集めています。ダムや橋などの施設の、普段は立ち入れない場所に入ることができ、迫力ある景観を眺めることができるのが魅力です。インフラツーリズムの舞台になったのは現在建設中の足羽川ダムで、参加者の満足度も高かったようです。
■参加者
「びっくらこいた 見事やなあ」
思わず驚きの声が上がる観光客の目の前に広がるのは、こうこうとライトで照らされた山あいの工事現場。
昼夜を問わず建設が進められている池田町の足羽川ダムです。
大型のダンプカーや、コンクリートを積んだ巨大なバケツが、宙を滑るように忙しく行き来します。
池田町の観光会社が、民間として初めて企画したナイトツアーには、越前市と鯖江市から13人が参加しました。
■職員
「ダムの形が底の広い台形になっているのが分かる 右側にピンク色の線が見える「ダムが水をためられる高さを表している」
ダムの完成後の高さは福井駅前のハピリンとほぼ同じ96メートル。
非常時のみ水をためる「流水型ダム」としては日本一の規模で、ためられる水の量はサンドームふくい100個分に相当します。
去年の夏には全体の3割ほどが出来ていましたが、現在は6割まで工事が進み、コンクリートの壁はさらに高くなっていました。
■観光客
「高さが高いだけあって、動いている工事車両がミニチュアみたいに見えて、なんか不思議 ものすごく改めて工事のすごさを体験した 昼夜を問わず作業している人の苦労が見える」
今回のツアーの目玉は、扉の向こうに延びる通路。
ダムの内部にある点検用の通路「監査廊」です。
一般の人には初公開で、工事関係者でも一部の人しか入れないレアなスポットです。
■清水・大林JV 星野翔太郎 主任
「こちらプラムライン管といって、将来ダムができた時に、ダムのたわみを計測する こういった下げ振りというものを使って、コンクリートの打設中に、ターゲットがずれていないか確認している」
幅2メートル、高さ2.5メートルの通路は、高さ96メートルのダム本体の中に、全長1キロにわたってアリの巣のように張り巡らされます。
■記者
「ダム内部の階段は、一段が25センチと、一般的な階段よりも少し高くなっている。ダムを建設するさい、25センチの倍数ずつ積み上げていくという」
ツアーは2時間ほどで終了し、参加者は十分に満足した様子です。
■観光客
「観光は誰でも行けるが、ここは誰でも行けるところでないし、現場っていうのを見られるのは、ものすごく感動した うちも福井豪雨の時に家が床上浸水したが、こういうものがあってこそ守ってもらえるならいいと思う」
2029年度の完成を目指す足羽川ダム。
今しか見られない工事の様子や、インフラ施設ならではの重厚な迫力ある建物が、人を呼び込む観光資源になっています。