初の安全講習会、坂井市「三国祭」 山車巡行の技術継承へ 港町の男衆が奮闘 人口減少で曳き手が不足
迫力ある山車(やま)巡行が呼び物の坂井市の三国祭が1か月後に迫りました。人口減少で山車の曳(ひ)き手不足や技術の継承が課題となる中、地元で初めての講習会が開かれ、港町の男衆が奮闘しています。
きのう・坂井市三国町山王
1か月後の本番を前に、初めて開催された山車巡行の安全講習会。今年の山車の当番となっている地区を中心に、20代から50代までおよそ50人の曳き手が集まりました。
山車が巡行する三国の旧市街地の路地は着物の帯の幅に例えられるほど狭く、高さ6.5メートル、重さは1トン以上とされる山車をうまく操るのは簡単ではありません。
一方、三国地区の人口は去年2万人を割り込み、高齢化率も市内4つの地区で唯一3割を超えていて、曳き手不足や技術の継承が課題となっています。
下台区の岡本旭さん(26)は今年初めてのかじ取りを任されることに。かじ取りは山車の進行方向を指示する重要な役割です。
■岡本さんのかじ取り
「取!」
「こういう風に(蛇行の動き)直線道路でもなってしまう仕方がない。後ろの人に頑張ってもらうしか」
三国神社の前のおよそ100メートルの路地を何度も往復して山車の方向を変える掛け声のタイミングや、道幅が確保できているかなどをチェックしました。
■岡本旭さん(26)
「ボコボコしている道もある。そういう道で周りの客を巻き込まないよう、どう対処できるか。考えされられることが多い。重要な役割だと認識した」
講習会を企画したのは、三国祭保存振興会の若手のメンバー。経験者が初めての曳き手にちょっとしたコツや決め事を伝えていました。
■三國祭保存振興会青年部会 木谷拓未会長
「安全なくして楽しい山車巡行や祭りはない。若い人がこれからの祭りを引っ張って行くと思うので、安全に山車を巡行してくれれば、次(の世代)に祭りがつながるだろうと」
伝統の三国祭を次の時代に残していくために。港町の男衆が奮闘しています。