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コメ作付け前に早くも争奪戦 苗の段階で価格高騰「異例づくし」 種もみが確保できないケースも

2025年4月8日 19:06
コメ作付け前に早くも争奪戦 苗の段階で価格高騰「異例づくし」 種もみが確保できないケースも
コメの育苗はピークに=7日、坂井市内

コメの価格が高騰する中、県内でも今シーズンのコメづくりが始まっています。しかし、一部の品種で種もみが確保できず、苗づくりが計画通りに進まない事態も起きています。

坂井平野のおよそ100ヘクタールの農地でコメを栽培している坂井市坂井町の大規模農業法人です。田植えを前に、種もみを苗箱にまいて発芽させる"育苗(いくびょう)"の作業がピークを迎えています。

7つの品種のコメを栽培しているこの農業法人。しかし、今シーズンは県外から取り寄せている品種の種もみが思うように確保できず、一部の農地では作付けの見通しが立っていません。

■田中農園 田中勇樹社長
「まだ入ってくるかどうかも不確定なところではある。すべての作業が遅れてくる、田んぼの準備にしても。苗づくりも遅れると田植えもすべて遅れてくる。かなり不安」

コメ不足を受けて、全国的にも増産を見据える動きが進む中、種もみ不足がネックに。さらにこの秋の新米の確保に向けて、こうしたタネの段階から業者の買い付けが始まっているといいます。

■田中農園 田中勇樹社長
「(買取価格は)令和6年産と比べても1万円高い状況。7つの品種で苗の段階ですべて行き先が決まっている。他に出せるような余るコメは一粒もない」
「こんな価格は初めてで(早い段階での)提示も初めて。今年は異例なことばっかり」

去年に続いて生産現場で起きている集荷業者によるコメの争奪戦。今年の新米価格への影響も懸念されます。

最終更新日:2025年4月8日 19:06
    福井放送 福井放送