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【特集】現代の名工が引退 越前打刃物の技術を次世代に 刃渡り1メートル超のマグロ包丁 若手の職人が奮闘

2025年1月20日 19:40

北村さんは5年ほど前から、清水さんのもとで技術を磨いてきました。

■指導風景
清水さん「今度は全部ひとりで、火づくりから仕上げから焼き入れから、みんなさせる」
北村さん「はい」
清水さん「ずっと見ているからわかる」

北村さんは今回、初めて全ての工程を任されました。

■清水正治さん
「刃が厚い。もうちょと薄くしないと。よく赤めて(熱くして)」

鉄を800度になるまで熱し、機械で3倍の長さに打ち延ばして、形を整えます。

■北村拓己さん
「燃えてしまわないかというのと、結構柔らかくなって伸びすぎて難しいというのがある」

強度を高める焼き入れは、包丁作りの重要な工程。清水さんのボルテージも最高潮に達します。

■清水正治さん
「おい、北村!まっすぐ挟まな。まっすぐ挟めって」

800度に達したら、急激に冷やします。この熱処理で芯の地金がしなり、鋼の刃の切れ味が鋭くなります。

■指導風景
清水さん「ここらがへこんでるやろ」
北村さん「はい」
清水さん「もっと叩け。もっときつく叩け。2つか3つではあかん。もうちょっと叩かな」

刃渡り47センチのマグロ包丁は、熟練の技や心構えを受け継いだ初めての1本です。

■北村拓己さん
「やり始めたばかりなのでこれからです。最初の一歩みたいなもの。これからいいマグロ切りを作っていきたい」

■清水正治さん
「気持ちいい。きょうはうれしい。ちゃんとできたんやで。よくまめに動くでいいんや。すぐ覚える。良かった」

750年続く産地で、師匠から弟子へ。かけがえのない伝統の技が少しずつ受け継がれています。

最終更新日:2025年1月20日 20:03
福井放送 福井放送