【特集】大廃炉時代に向き合う 「クリアランス物」の行方 高校生が地域住民とともに考える 再利用し防犯灯設置
学校の外にも防犯灯を設置したい。クリアランス物に対する地域の理解促進に向けて、生徒たちは高校のある福井市文殊地区の公民館で去年11月、住民向けの説明会を開きました。
■福井南高校3年 森夕乃さん
「防犯灯を文殊地域の方々に説明することで、設置の一歩を踏み出せたら」
生徒の話を聞いたのは自治会長をはじめ25人。
■説明会に参加した住民
「リサイクルして使っていけば、非常に環境にも優しくて、いいものになっていく。私は大賛成です」
一方で、こんな意見も。
■説明会に参加した住民
「学術的に、社会的・政治的にも大きな対立点のある問題。子どもたちがそういうことに利用されている気がする」
■福井南高校3年 森夕乃さん
「受け入れて下さる方とそうでない方、二つの立場の方がいる。頑張らないとなという気持ちにつながった」
生徒たちは地域住民らの疑問解消に向けて、質問方法を載せたチラシを作って配布。質問に答える手書きのポスターも作って公民館に掲示しました。
■地域住民
「皆さんが意識を持って、こういう問題を考えていくきっかけを作ってもらえた」
スタートから1年間半。県の花・スイセンをモチーフにした防犯灯はこれまでに、文殊地区の市道や鉄道の駅前などに設置されました。今後は大野市など5つの市町で合わせて20か所に設置される予定です。
■福井南高校2年 前川央乃芽さん
「真下から見てもきれいなようにって言ってたよね。それが本当に形になると感動する」
■福井南高校3年 森夕乃さん
「(防犯灯を)欲しいって手を上げてくれている高校や施設がある。ここからまた広がっていってほしい」
今回の防犯灯の製作に当たって使われたクリアランス物は延べ150キロ。廃棄物のごく一部にすぎませんが、生徒たちの学びは“大廃炉時代”へのひとつの道標となるかも知れません。