【特集】ごみ処理施設で相次ぐ火事 原因はリチウムイオン電池 老朽化や熱で膨らみ危険 ルール守らず捨てられ発火 施設で分別も…製品の小型化で見つけるのが困難に
鯖江市のごみ処理施設では、5月に2度にわたって火事が発生しました。火が出た原因は、粗大ごみに混じって捨てられたリチウムイオン電池とみられています。
ごみ処理施設から勢いよく立ちのぼる黒い煙。鯖江クリーンセンターでは、5月9日と13日に相次いで火事が起きました。
焼け跡から見つかったのは、リチウムイオン電池が使われた製品です。
充電式でさまざまな電子機器に使われているリチウムイオン電池。
環境省によりますと、全国のごみ処理施設などで発生したリチウムイオン電池が原因とみられる火事は、2万件を超えていて、5年前の2倍あまりに増えています。
今回の火事も、リチウムイオン電池が原因とみられています。
■鯖江・丹生消防組合消防署 渡邉秀幸 消防署長・消防司令長
「捨てる時に決められた所に捨てなくて、間違ったために、集められた所で発火したのではないかと考えています」
火事があった施設を訪ねてみると、作業員が粗大ごみの中身を一つひとつチェックしていました。
■従業員
「携帯電話とかリチウムイオン電池内蔵の製品が、1台につき多い時だと5つ6つは入っている」
火事があった後も、リチウムイオン電池を内蔵した製品が次々と見つかっています。
■鯖江広域衛生施設組合 伊藤雅己さん
「こちらは不燃ごみ収集車4台分から出てきた発火性のある商品です」
「リチウムイオン電池は老朽化や熱によって膨らむので危険性がある」
しかし、作業員の選別作業にも限界があるといいます。
■鯖江広域衛生施設組合 伊藤雅己さん
「選別しても発見しにくいのがワイヤレスイヤホン。中の商品が単品で入っていると、目視での判断が難しい。小型化してきて判別が難しい状況になっている」
この日のごみの中からは、まさに発火寸前のリチウムイオン電池も。
■鯖江広域衛生施設組合 伊藤雅己さん
「今一度お住まいの地域のごみの出し方を確認していただいて、ごみの分別のご協力をお願いしたい」
こちらはリチウムイオン電池が使われている製品。知らずに粗大ごみとして廃棄したことで、施設が火事になって、ごみの受け入れができなくなるという事態にもつながりかねません。
リチウムイオン電池など、充電式電池の廃棄方法は自治体ごとに定められています。お住まいの地域のルールを今一度確認してみてください。