【特集】全校児童はたった1人 過疎が進む山あいの地区 先生や地域の人に支えられ 将来の夢は「自然を守るような仕事」 福井市・殿下小学校
■交流学習風景
「きょうは地域の方と学校の先生と子どもたちで、1人なんですけど、武周ヶ池の方にみんなで散歩しようかな」
週1回は授業時間を使って、地域の人との交流学習も行なわれます。松平くんの成長を手助けしたいという地元住民の思いから始まったもので、この日は地区の名所「武周ヶ池(ぶしゅうがいけ)」を散策し、その歴史について学びました。
■松平瑞也くん
「殿下地区の中でも自然豊かな所なので、のどかで気持ち良い。地域の人とかに応援されていると思うとうれしいし、励みにもなります」
■地元の住民
「ひとりになって寂しいだろうけど(卒業まで)あと2年ですか?みんなで協力してやっていきたいと思います。誇りを持って『僕、最後のあれ(児童)だった』って、そういう感じで卒業してほしい」
この日は他の学校の児童と交流し、多様な考え方を育んでもらおうと、福井市西部の4つの小規模校による合同授業も開かれました。久しぶりの同学年の児童との交流に笑顔がこぼれます。
■松平瑞也くん
「楽しいし、一緒に話せるから、いつもモヤモヤしているのがすっ飛んで行った」
同級生がいないことに少し寂しさを感じながらも、やっぱり“殿下”が大好きな松平くん。そんな松平くんにはある夢ができました。
■松平瑞也くん
「殿下は自然がとても豊かなので、そういう自然を守るような仕事についてみたい」
■殿下小学校 代継香苗校長
「地域ぐるみで子どもの成長を見守って支えて下さる。学校を支援下さる。本当にありがたい。あと2年で休校ということが決定しているのですが、ふるさと殿下を愛する気持ちを大切にしながら、すくすくと、伸び伸びと成長してほしいと思います」
殿下小学校の唯一の児童。松平くんは学校の先生や地域の人たちに見守られながら、元気に毎日を過ごしています。