【特集】インクルーシブ教育 異なる個性や価値観、障害があってなくても 13トリソミー症候群の女の子、小学校入学
礼衣さんの代わりにクラスのみんなが返事をしてくれました。
■礼衣さんの母・麻衣さん
「周りのお友達も礼衣と関わることでどんどん優しく育っているというのが、私から見ても感じていたので、入園しただけでうれしかったことが、日々の関わりの中で成長もうれしいことになって、だんだんそれが当たり前の日常になってきて、いい3年間過ごさせてもらったと思っている」
そんな中、地域の小学校への入学の話が舞い込みました。
この日は礼衣さんの主治医をはじめ医療や学校関係者が集まりました。
■森田小学校 南部隆幸教頭
「音楽室も本当は2階なんだけど、特別に1階に3つ目の音楽室を作った。とりあえず来年度は上下移動がなくて過ごせるように工夫している」
障害のあるなしに関わらず、子どもたちが同じ環境で一緒に教育を受ける「インクルーシブ教育」。通常学級を受け持つ教師たちにとっては、初めての医療ケア講習です。
■通常学級の教諭
「お父さんとお母さんの特別扱いしないでほしいという思いを感じる。特別な配慮はしないけど、でも礼衣ちゃんが楽しめるように工夫はしないといけないかなと思う。同じ園から上がってくる子ばっかりじゃないので、クラスの子らにもちゃんとうまく説明しないとだめだなと思いました」
■森田小学校 南部隆幸教頭
「本当に分からないので、できることを精一杯しようって。周りの子どもたちもそうだし、親御さんもそうだし。全体の理解がないと進まないので、うまいことそれがいい方に、みんなが育つようないい方向に向くといいなという期待感もある。心配半分、期待半分」
礼衣さんは校内の特別支援学級に通いながら、音楽や体育など毎日2時間ほど、通常学級での活動を予定しています。
■礼衣さんの母・麻衣さん
「関わりを通して、新しい友達がたくさんできて礼衣のことを知ってくれる子がたくさん出来るといいなと思っている」
入学式の後、同じクラスの児童から手紙が…。
絵には車イスに乗る礼衣さん。
そのお腹には穴が一つ。
自分とは異なる個性や価値観を受け入れ、ともに心を育むインクルーシブ教育。子どもたちの可能性が芽吹き始めています。