【北陸新幹線】どうなる敦賀から西の延伸 京都が懸念する地下水への影響 専門家の見解は、財源問題も問う
藤井教授は財源確保に向け、国費の増額とJRの貸付料見直しの2つのポイントを指摘しています。
国土交通省の鉄道関連予算は、毎年およそ1000億円。このうち800億円が新幹線事業に充てられています。これをもっと増やしたいところですが、国の予算編成のルールで、社会保障費以外は当初予算全体として333億円しか前年から増額しないという、いわば「天井」があり、大幅な増額は難しいのが現状です。
しかし、藤井教授は増額の可能性はあると指摘しています。
■京都大学 藤井聡教授
「留保事項の項目があって、そういった規律のせいで重要な政策ができなくなるのは避けねばならないという文言が入っている。内閣官房参与として、いろんな事業について検討評価構想をしてきたが、北陸新幹線はその中でもとりわけ重要な国家事業であると確信をしている。政府あるいは首相官邸が、あるいは国交省や財務省が理解することは十二分以上にありえる」
貸付料とは、JRが払う施設使用料のことで家賃のようなもの。藤井教授はこの家賃の計算方法がアップデートされておらず、現在のインバウンド需要やインフレが反映されていないと指摘しています。また、貸付料は現在30年分で計算されているところを、期間の延長も検討すべきとしています。
■京都大学 藤井聡教授
「事実上、東海道新幹線は50年以上供用して、いまだに立派に働けていることを考えると、50年とか倍の60年とかに変えていくのもこれからの議論において重要な論点になる」
延伸にはまだまだハードルがあるわけですが、北陸新幹線には災害時の東海道新幹線の"バックアップルート"という側面もあり、ここから先は国土強靭化の観点からの検討が必要不可欠です。