【異常事態】ツキノワグマ出没急増 去年の2倍以上で過去最多 来年度には“保護”から“管理”対象へ移行 共存するための理解を
■石川県立大学生物資源環境学部 大井徹特任教授
「大人のオス熊がメスを求めて広く活発に活動を始める。同時に若い未成熟の1~2歳のクマが新たに自分の生活をする場所を求めて活発に移動する時期になる」
自分たちでできる注意点を以下にまとめました。
・山などにの入る際には、鈴やラジオなど音の出るものを用意すること。
・生ゴミなどクマを誘うものを屋外に放置しないこと。
・クマの潜み場となるヤブは刈り払うこと。
一方で、わなを多く設置するなど、捕獲対策を強化することはできないのが現状です。農作物に被害を及ぼすシカやイノシシなどと違って、ツキノワグマは法的には「保護」の対象となっていて、目撃情報が寄せられて、人身被害の恐れがある場所に設置することはできても、進んで山に入ってわなを設置することはできないのが現状です。
ただ、全国的にもクマの被害が相次いでいることを受けて、国が方針転換し、県も来年度から「保護」から個体数を「管理」する方向に舵を切ります。これによってクマが人里に現れる前に、山などに入ってわなを設置する積極的な対策が可能となります。
専門家は「クマはどんな時でも凶暴であるわけではない。人間がクマの行動を理解すれば、人身事故はある程度減らせる。長い進化の過程で生まれてきた動物を、簡単に殺して絶滅させることは決してあってはいけない。人間もクマの生態を理解し、共存していく考え方も重要」とコメントしています。