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【特集】なぜ下がらないコメの値段 茶わん32億杯分が行方不明に 背景には買い付け競争の激化 政府は"備蓄米"放出へ

2025年2月11日 19:26

備蓄米の放出でコメの供給量が増え、店頭価格の値下がりも期待される中、コメの集荷業者が農家に示す買い取り価格に早くも変化が。

■稲作農家 白井清志さん
「政府の備蓄米の一部放出という 話が出ましたので、これで(60キロ当たり)約1万円ほど下がりました」

一方、政府はコメの値崩れを防ぐため、JA全農などの集荷業者に売り渡した同じ量を1年以内に買い戻す方針です。

■稲作農家 白井清志さん
「今年中に出した分だけを元に戻そうという話になっていて、また上がりました。今現在は約5万円ほどになっている。コメの価格は一時的に備蓄米を出しても元に戻すのであればさほど意味がない」

また、コメの集荷をする福井市内の卸売業者は政府が放出した分の新米を買い取ることで来シーズンのコメ不足を懸念しています。

■福井精米 樋田光生社長
「(令和)7年産の貸し出しという形で聞いているので、7年産でまたコメが足りなくなるようなことが起きるのではないか。不安は正直なところある」

一方、県JAグループは農家の手取りへの影響を懸念しています。

■県JAグループ 宮田幸一会長
「農業団体としては反対をしていきたい。備蓄米は置いてもらう。足らないのであれば生産調整している面積を増やして需給バランスを合わすのが我々の仕事」

なお、農林水産省は今週末にも備蓄米の販売量や条件を示して、できるだけ早く放出する方針です。

最終更新日:2025年2月11日 19:46
福井放送 福井放送