【落胆】地元企業「急きょなくなるとは」日産がバッテリー工場建設を撤回 立地協定から3か月余りで急展開
日産自動車が北九州市で計画していた、EV=電気自動車向けのバッテリー工場建設事業で急展開です。9日、計画の撤回が福岡県などに報告されました。新工場に期待を寄せていた地元企業からは、落胆の声が上がっています。
9日午前、日産自動車側との会談を終えた福岡県の服部知事らが取材に応じました。
■服部知事
「本日、日産自動車のエスピノーサCEOが福岡県庁をお訪ねになり、北九州市で予定していたLFPバッテリーの新工場建設について、計画を断念せざるを得ないとの報告でした。大きな期待をしていただけに、大変残念な思いです。」
新工場は、投資総額が北九州市では過去最高のおよそ1533億円、新規雇用が500人に上る計画で、ことし1月に立地協定を結んだばかりでした。
■日産自動車・平田禎治執行役
「協定締結から3か月という短い期間でこのような結果になってしまったことを、おわびしたいと思います。」
日産をめぐっては、業績不振からホンダとの経営統合が模索されていましたが、ホンダが提示した「日産を子会社化する案」について両者の合意が得られず、ことし2月、統合案は白紙になりました。
4月には、昨年度の業績について、過去最大となる7500億円の最終赤字になる見通しを発表しています。
■平田執行役
「(計画撤回の要因は)言わずもがな、弊社の経営環境とご理解いただければと思います。」
地元、北九州市の企業からは落胆の声が上がっています。
■ソフトエナジーコントロールズ・江口勇治社長
「設備の採用を目指して取り組んでいたところなので、非常に残念な気持ち。」
北九州市若松区に本社を置く「ソフトエナジーコントロールズ」は、バッテリーを検査する装置を製造・販売しています。取り扱う製品の8割を占めるのが、車載用バッテリーの検査装置です。日産の新工場建設を新たな受注につなげようと期待を寄せていました。
■江口社長
「日産が地元に工場を建てるということで、ますます頑張っていこうと進めていたところです。日産の今の状況を考えると致し方ないのかなという思いも少しあります。ただ(国の)補助金の関係もあるので、急きょなくなるとは考えていなかった。」
日産は、日産自動車九州や日産車体九州については、重要な拠点として生産を継続するため、最大限の努力をしていくと説明しています。