冬はマフラー・夏は麦わら「天神地蔵」が交差点に戻る 再開発で変わる街を再び見守って
「ワンビル」前の天神交差点で、長く交通安全を見守ってきた「天神地蔵」をご存じでしょうか。「ワンビル」の建設工事に伴い、別の場所で保管されていましたが17日、元の場所に戻りました。
■永石莉里子記者
「かぶされていたシートが剥がされ、お地蔵様が再び姿を現しました。」
福岡市の天神交差点では、町内会長たちが「天神地蔵」を出迎えました。「ワンビル」の工事のため、およそ3か月間、別の場所で保管されていました。
■町内会長・藤木敏一さん
「本当にうれしいです。皆様のおかげでこの場所に戻ることができた。」
「天神地蔵」は1979年、暴走族の取り締まり中にバイクにはねられ殉職した当時28歳の警察官をしのんで設置されました。
交通量の多い交差点で行き交う人の安全を見守ってきましたが、2018年には酒に酔った男性に蹴られて頭部が破損、さらに2024年1月にも一部が壊される被害がありました。
それでも、その度に地元の人たちが元の姿に戻してきました。
冬にはマフラーを巻き、夏には麦わら帽子をかぶる姿も。季節や天候にあわせた衣装で、市民に親しまれています。再び姿を見せた地蔵の前には、待ってくれていた人たちへのメッセージが添えられていました。
『出張から帰福しました 不在中 皆様にご心配おかけいたしましたこと おわび申し上げます』
■藤木さん
「交通安全のお地蔵様。通る時に皆様の交通安全とご多幸をお祈りしてもらえればと思っています。」
天神ビッグバンによって急速に変わる街の中で「天神地蔵」は、これからも人々の安全を見守り続けます。