【物価高】影響は給食にも 福岡市の公費負担は3年前の3倍に「キュウリ少なくキャベツ多め」現場の工夫続く
物価高で食品の価格が上がる中、「給食」の現場では、必要な栄養を維持するため食材の工夫を重ねています。福岡市東区にある給食センターを訪ねました。
■鬼丸ゆりか記者
「こちらでは調理員が、下処理した野菜を機械で切っています。」
このセンターでは、福岡市立の中学校と特別支援学校合わせて23校およそ1万3500人分の給食を作っています。
福岡市の給食費は今年度の2学期から無償化されますが、現在は月額で小学校が4200円、中学校が5000円です。福岡市は、家庭の負担にならないよう物価高騰分の食材費は公費で負担しています。
ここにも物価高の影響が出ていました。
こちらは、福岡市の給食での食材費の公費負担額を示したグラフです。
福岡市は物価高騰による公費負担を2022年度から始めました。負担額は毎年増え続け、今年度はおよそ12億円となっています。
ただ、2学期からの無償化のための予算は別途、確保できているということです。
中でも仕入れ価格が上がり、影響を受けているのはコメです。
■福岡市教委 給食運営課・野原健 課長
「コメ自体の値段が昨年度からかなり上がっているので、昨年12月に小中学校とも(1人あたり)10円ほど値上げしています。」
食材費が限られる中、栄養を保った給食を提供しようと工夫を重ねています。
この日のメニューの1つは、キャベツをたっぷり使ったサラダ。実はもともと、もっとキュウリが多い想定でしたが、キュウリを少なくしてキャベツを多くしました。食材の価格を見ながら、使用する量を調整しています。
■野原課長
「学校給食は、小中学生の成長期の大事な食事の一環で、食育にも必要なので、きちんと必要なエネルギー量と栄養素量を満たした上で、安全で安心なおいしい給食を引き続き提供していきたいと思っています。」