山口組組長らに損害賠償請求 福岡県内の被害者5人が県警の支援制度利用 福岡地裁

特定抗争指定暴力団山口組系の組員らによる特殊詐欺事件で、福岡県内の被害者らが山口組の組長らを相手取り、およそ2250万円の損害賠償を求めて、15日、福岡地裁に提訴しました。
原告側は、弁護士費用などを福岡県警が負担する支援制度を利用しています。
特定抗争指定暴力団山口組の司忍こと篠田建市組長ら4人を提訴したのは、いずれも事件当時70代の県内の被害者5人です。
原告側の代理人によりますと、被害者5人は2021年、山口組系の組員が関わる詐欺グループからおよそ1800万円を脅し取られました。
詐欺グループの指示役の組員は、詐欺罪ですでに有罪判決を受け、その後確定しています。
被害者らはきょう、篠田組長らにこの事件の責任があるとして、あわせて2256万円の損害賠償を求める訴えを福岡地方裁判所に起こしました。
今回の提訴では、弁護士による事前の調査費用など50万円程度を、福岡県警が負担する支援制度を利用しています。
この制度は有罪が確定した事件で、暴力団の組織的関与が認められる事件の被害者が対象です。
おととし、全国で初めて福岡県警が導入したもので、特殊詐欺被害で利用されるのは今回が初めてです。
この提訴を受けて福岡県警などは、暴力団対策法に基づき篠田組長らに訴訟の妨害行為を禁じる仮命令を出しました。
福岡県警は支援制度を利用することで暴力団組織の弱体化と犯罪の再発防止につながるとしています。