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【速報】クイーンビートルを韓国の会社に売却へ 日韓航路での運航はしないことが条件「新たな海で安全に運航を」

2025年4月17日 10:08
【速報】クイーンビートルを韓国の会社に売却へ 日韓航路での運航はしないことが条件「新たな海で安全に運航を」

博多と韓国・釜山(プサン)を結ぶ高速船クイーンビートルが浸水を隠して運航していた問題で、JR九州は17日、クイーンビートルを釜山の会社、パンスターラインドットコムに売却すると発表しました。

クイーンビートルはJR九州の子会社、JR九州高速船が所有しています。

日韓航路での運航はしないことを売却の条件としていて、1日に契約を交わしたということです。

引き渡しは5月の予定です。

JR九州は「クイーンビートルをご愛顧くださったお客様、長年にわたりJR九州高速船の日韓航路を支えてくださった皆様に改めて感謝を申し上げるとともに、クイーンビートルが新たな海で安全に運航することを願っています。JR九州グループとして、あらゆる事業分野で安全確保に努めてまいります」とコメントしています。

JR九州高速船は去年2月、クイーンビートルの船首部分からの浸水を把握したにもかかわらず、国に報告しないまま、3か月半にわたり運航を続けました。国の抜き打ち監査によって発覚したもので、浸水センサーの位置をずらすなど隠蔽工作を行っていたとされています。

おととしにも浸水を把握しながら運航を継続したとして、海上運送法に基づく「安全確保命令」の行政処分を受けていて、海上保安部は「意図的に繰り返し違反が行われていたことなどを考慮し、悪質だと判断した」としています。

福岡海上保安部は去年10月に家宅捜索に踏み切り、おととしに出された安全確保命令に反した海上運送法違反などの疑いで、会社としてのJR九州高速船と、当時の社長や船長など8人を9日、書類送検しました。全員容疑を認めているということです。

安全確保命令違反については、3年前に北海道の知床沖で観光船が沈没し、26人が死亡した事故を受けて罰則が大幅に強化され、事業者に科す罰金の上限は100万円から1億円に引き上げられています。新たな規定は初めて、適用されました。

JR九州はクイーンビートルの運航再開を断念し、日韓航路からの撤退を決めていました。

JR九州によりますと、売却先のパンスターラインドットコムはクルーズや外航旅客運送事業を営む会社で、釜山と対馬、釜山と大阪を結ぶ航路での船舶事業などを手がけているということです。

最終更新日:2025年4月17日 13:11