「信じられないほどひどい」披露宴は日曜なのに…支援の動きも コロナ助成金詐欺の疑いの結婚式場が破産へ
福岡県久留米市の結婚式場運営会社、アルカディアが破産申請の準備に入り、影響が広がっています。突然、挙式や披露宴が中止となったカップルを支援しようという動きが広がっています。
福岡市博多区のウィズザスタイルフクオカ。チャペルと4つの披露宴会場を備えています。都心でありながらリゾート感のある雰囲気が人気を集めています。
27日、ウェディングプランナーとの打ち合わせに訪れたのは、披露宴を3日後に控えたキャロル・カーターさん(23)、璃咲(りさ)さん(22)夫婦です。
■スタッフ
「寝られました?」
■新婦 キャロル・璃咲さん
「寝られなかったです。」
26日、突然知らされたアルカディアの破産準備。福岡と佐賀で5つの結婚式場を運営するアルカディアをめぐっては、多額の国の雇用調整助成金をだまし取った疑いで、元社長と幹部らが相次いで逮捕されました。
福岡労働局は25日、支給の取り消しと違約金を含めおよそ12億円の返還を命じたと発表していました。
アルカディアは25日付で事業を停止。「挙式・披露宴・宴会が全て実施できなくなりました」と明らかにしました。
キャロルさん夫婦はちょうど1年前の2024年2月27日に婚姻届を提出しました。アルカディアが運営する福岡市・天神の会場で、今度の日曜日に披露宴を開く予定でした。
■新婦 キャロル・璃咲さん
「アルカディアのグループではないドレスショップと契約して、そのドレスショップからLINEのメッセージでニュース見ました?と連絡が来て。まだニュースも知らなくて、ネットで調べたら破産のことを知って。何も言葉が出なかったです。本当にびっくりして、頭が真っ白になりました。」
■新郎 キャロル・カーターさん
「バスケットボールを見ていたら璃咲から電話があって泣きながら、結婚できなくなりましたと。本当に信じられないほど、ひどいと思いました。」
すでに大勢のゲストを招待している披露宴。2人は悲しみに暮れる間もなく結婚式場の紹介窓口を訪ね、このウィズザスタイルを紹介されました。
■新婦 璃咲さん
「当初する予定だった披露宴と同じ規模で、同じ価格帯でしていただけるとのことで決めました。」
ウィズザスタイルは急な相談にもかかわらず、アルカディアに支払う予定だった同じ料金で披露宴を受け入れたということです。
■新婦 璃咲さん
「決まって良かったって。本当にうれしかったです。」
ウィズザスタイルには、アルカディアで挙式や披露宴ができなくなったという相談がすでに10件ほど寄せられています。
■ウィズザスタイルフクオカ・岩村大紀ゼネラルマネージャー
「まず、今週末と来週末のお客様に関しては、もともとアルカディアに支払う予定だった金額でお受けする方針をすぐに決めました。一番苦しいのは新郎新婦さまだと思ったので、そういった方々の未来を明るくできれば。」
ほかの結婚式場でも、急きょ式を挙げられなくなったカップルを支援しようという動きが広がっていて、ウィズザスタイルは「ぜび安心してほしい」と呼びかけています。
行政も支援に乗り出しています。北九州市は27日午後、アルカディア小倉で結婚式がキャンセルとなったカップルを対象に、関門海峡ミュージアムでの挙式を無償で提供すると発表しました。30人以上の披露宴を有料で開催する必要があります。準備が整い次第、申し込みを開始し、申し込み期限は4月末までです。