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県内の被害額は3か月で29億円に 過去最悪ペースの被害を防ぐため 福岡県警は国際電話の休止代行も

2025年5月19日 18:48
県内の被害額は3か月で29億円に 過去最悪ペースの被害を防ぐため 福岡県警は国際電話の休止代行も

ニセ電話詐欺などの被害が後を絶ちません。ことし3月までの被害額は、過去最悪だった去年を上回るペースとなっています。こうした状況を受けて、福岡県警がさまざまな対策を進めています。

県内で被害が続く中、19日午後、福岡県小郡市では。

■平石千夏記者
「会議室に集まったのは、小郡市の市議会議員、そして市長や市の職員などです。これから特殊詐欺について学びます。」

この研修会は、行政側が特殊詐欺の現状を学ぶことで必要な施策づくりにつなげようと、小郡市議会が企画しました。

小郡署管内では去年、特殊詐欺の被害が急増していて、この日は4月に小郡市で発生したニセ電話詐欺の実際の音声も紹介されました。

■実際の音声
「もしもし、○○証券の吉川と申します。本日中にお支払いというか、納税のほうをすれば何にも問題はないということだったんですが。最悪の場合ですね、刑事事件に発展して逮捕される可能性があると言われたんですね。

福岡県内の特殊詐欺の被害はことしに入ってからも増え続けていて、1月から3月までの県内の被害はおよそ29億円に上っています。これは過去最悪だった去年を上回るペースです。

■小郡警察署・高木直哉副署長
「非常に危機感を抱いています。電話でお金の話が出たら1人で決断せずに、必ず身近な人に相談してください。」

被害を食い止めるための対策も進められています。福岡市南区の運転免許試験場では19日、警察がブースを設け、LINEが詐欺に悪用される手口が多いことを呼びかけました。その上で、訪れた人のLINEの設定を確認し、知らない人からのメッセージを受信しないよう一緒に変更しました。

■訪れた人
「頻繁に詐欺が発生しているので防止になれば。家族にきょう聞いたことを周知したい。」

さらに、こんな取り組みもありました。

■警察官
「ご自宅に固定電話ありますか。手口として、海外から日本にかけてくる。」

警察によりますと去年、県内で発生したニセ電話詐欺のおよそ6割で国際電話が使われていたということで、ふだん国際電話を使わない人に利用休止を呼びかけ手続きを支援しました。

■福岡県警 生安総務課・江崎友輔 課長補佐
「(警察を名乗る人物の電話で)逮捕状、資金調査、マネーロンダリングなどの言葉が出た際には詐欺であると思って、電話を即、切断していただきたい。」

国際電話の利用を休止するにはまず、「国際電話不取扱受付センター」に電話して下さい。電話番号は0120ー210-364です。その後、WEBや郵送での手続きが必要です。

また、福岡県内の警察署では申し込みをすれば手続きを代行してもらえます。

警察は詐欺被害を防ぐため、国際電話を使わない場合は利用を停止するよう呼びかけています。

最終更新日:2025年5月19日 18:53