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【密着】「挑戦の先には豊かな人生がある」難病を抱える女性 踏み出した社会人としての第一歩

2025年4月28日 19:48
【密着】「挑戦の先には豊かな人生がある」難病を抱える女性 踏み出した社会人としての第一歩

これまで密着取材してきた全身の筋力を次第に失う難病を抱える熊本市の女性が、この春大学を卒業し、社会人としての新生活をスタートさせました。

4月、熊本市の「くまもと障害者労働センター・おれんじ村」の入社式。この春仲間入りしたのは山本栞奈さん(27)です。栞奈さんは全身の筋力を次第に失う難病を抱えています。

家族がいない栞奈さんは、5歳から18歳まで児童養護施設で過ごしました。
■山本栞奈さん
「いくつになっても親はいいもの。親のありがたみを感じてみたかった」

栞奈さんは高校卒業後、自衛隊に入隊しましたが、体に異変を感じ2年で除隊。その後、難病にかかっていることがわかりました。病気が悪化する中、栞奈さんは、難病がありながら社会福祉士として活躍する女性と出会いました。

当事者でありながら、相手に寄り添い働く姿にあこがれた栞奈さんは、自分も同じ道に進みたいと大学に入学。学生ボランティアに協力してもらいながら夜間の授業に通い、訪問看護師やヘルパーの助けを借りながら、夢だった1人暮らしを始めました。

そんな栞奈さんですが、今年1月に取材した時には…。
■山本栞奈さん
「最近すごく寝不足が続いていて、夜中とかに目が覚めて、きょう覚えたやつは何だっけ?みたいな感じで」

年末から体調を崩し入退院を繰り返していた栞奈さん。社会福祉士の国家試験に向け猛勉強を続けていました。自由に動かせるのは首から上と右手の一部だけ。紙のテキストはめくるのが難しいため、教材はYouTube を使います。

■山本栞奈さん
「大学でやっぱり友達がなかなか作れなかった。みんな頑張ろうって、画面だけの世界ですけど、そうやって励まし合いながらすごいなって刺激をもらってます」

2月の試験当日。身体が不自由な受験者は、代筆解答や試験時間の延長などが配慮されます。試験を終えた栞奈さんは。
■山本栞奈さん
「ほっとした気持ちと、なんだろう…実力を出せなかったっていう…落ち込んでます…」