富山市の「関係断絶」めぐる訴訟　“統一教会”関連団体の控訴棄却

いわゆる“統一教会”と関係を断つと表明した富山市長の発言や市議会の決議で名誉を傷つけられたなどとして、教団の関連団体や信者が富山市を訴えた裁判の控訴審の判決で、名古屋高裁金沢支部はきょう教団側の訴えを棄却しました。

この裁判は、富山市長が「いわゆる“統一教会”と一切の関係を断つ」と発言したことや、市議会も同様の決議をしたことは人権侵害と名誉棄損にあたるなどとして、教団の関連団体の富山県平和大使協議会が、富山市に損害賠償を求めていたものです。

また、市内の男性信者も市議会の決議により信教の自由が侵害されたなどとして市に慰謝料の支払いを求めていました。

一審の富山地裁は去年10月、市長の発言や市議会の決議は、原告らの名誉を傷つけるものではないとして、いずれの請求も退けました。

原告側はこれを不服として控訴していました。

きょうの控訴審判決で名古屋高裁金沢支部は、霊感商法など社会問題となった教団の不法行為を踏まえたもので「宗教ヘイト」に当たらないなど一審の判決を支持し、教団側の訴えを棄却しました。

判決を受けて教団側は「承服できない」として、上告する意向を示しています。