あの人と過ごす最後の“時” 時代の変化で多様なニーズが… 石川の葬儀場の最新事情
大切な人に思いをはせ、最後の時を過ごす場所… 葬儀場。近年、その形が変わりつつあります。石川県内の最新事情を取材しました。
今月、石川県津幡町に完成した葬儀場。
中に入ってみると…
そこには、テレビにソファー、寝室やバスルームまで。
従来のイメージとは異なる、まるで自宅のリビングのような空間が広がっています。
一体、なぜこのような内装にしたのかというと…
セレモニーホールさくら・吉岡 忍 さん:
「コロナの前は一般葬が9割、家族葬が1割の割合でしたが、今では家族葬の方が多くなりました」
コロナ禍をきっかけに、いま需要が増えている家族葬。
費用が抑えられることに加え、家族だけで故人を偲ぶスタイルが広がりを見せているといいます。
セレモニーホールさくら・吉岡 忍 さん:
「お通夜の後、ゆっくり家族と亡くなられた方が同じ空間で、ずっと一緒にいれるというところがとてもいいところだなと思います」
経済産業省の全国調査では、これまで右肩上がりだった葬儀業者の売り上げは近年、単価の低い家族葬が増えたことで目減りすることに。
ただ、その一方で、国内では今後も高齢化が進み、葬儀の件数自体はむしろ、増加していくとみられています。
こうした中、石川県葬儀協同組合の塩谷理事長は、こんな新たなニーズも生まれてきていると話します。
石川県葬儀協同組合・塩谷 真一郎 理事長:
「オリジナルですね。それはしつらえから、お料理から、お花から、音楽であるとかね。その人その人のオリジナルのお葬式、そういったことをリクエストされる方が結構、増えてきつつありますね」
こちらは金沢市の葬儀場MUNI。
施設に入るとまるで美術館のような空間が…
そして回廊を抜けた先に広がるのは、360度映像が投影されたセレモニールームです。
MUNIセレモニー事業部・髙森 裕輔 さん:
「上にカメラというのが8台ですね、作らせていただいて、その8台のカメラが、それぞれの中で映し出す映像となります」
それは写真や映像で故人との思い出を振り返る演出。