新型コロナ患者移送の委託料で1億円超横領 タクシー会社元専務の控訴棄却 名古屋高裁金沢支部
新型コロナウイルス患者の移送業務の委託料を横領したとされるタクシー会社の元専務の控訴審で、名古屋高裁金沢支部は15日、懲役5年とした一審判決を支持し、控訴を棄却しました。
カメラの前で取材に応じる男。業務上横領などの罪で判決を受けた大和タクシーの元専務の被告です。
この被告は、2020年9月からの約3年間で、新型コロナウイルスの患者を移送するための国からの業務委託料1億2600万円あまりを横領したとして、一審の金沢地裁から懲役5年の実刑および罰金1000万円の判決を受けていました。
この日の控訴審では、弁護側が「被害額を超える利益を会社にもたらした点を考慮すべき」として量刑不当を訴えたのに対し、名古屋高裁金沢支部は「犯行を正当化する事情とはいえない」と指摘。
被告人が反省の態度を示していることなどを考慮しても、一審判決を見直す必要は生じていないとして、弁護側の訴えを退け控訴を棄却しました。