公共ライドシェアで“荷物も配達” 石川・加賀市で日本初の「貨客混載」試行へ
いま、地方の公共交通を補おうと各地で広がりを見せる「ライドシェア」。一般のドライバーが自家用車で乗客を運ぶサービスですが…
27日、加賀市などが発表したのは…
加賀市・宮元 陸 市長:
「貨客混載、合理化をして、そしてより効率的な地方の物流や人の流れを作っていくのは喫緊の課題なんですね」
貨客混載… ライドシェアで、乗客だけでなく荷物も運ぶという日本で初めての試みです。
去年3月、北陸新幹線の延伸による観光客の増加に伴い、市内の移動手段のひとつとして始まった加賀市版ライドシェア。
配車はウーバーアプリを通して行い、タクシー運賃の8割で乗車できるサービスです。現在は、35人のドライバーが登録していますが…
その配車件数は、月によって数十件から200件近くとばらつきがあり、時間帯によっても需給のバランスが不安定になるといいます。
そこで今回、加賀市と日本郵便、ウーバージャパンが連携して行うのが、貨客混載の実証事業です。
これまで加賀市がライドシェアドライバーに委託していたのは、お客さんを乗せて目的地まで送る旅客運送。これに加えて、日本郵便からドライバーに荷物の配達を委託するというものです。
一体、なぜこのような取り組みを始めるのかというと…
ウーバージャパン・山中 志郎 代表:
「配車リクエストの少ない時間帯でも、ライドシェアドライバーはゆうパックの配達で追加収入を得られるようになります。ドライバー数やオンライン時間が増加することで、配車リクエストのマッチング率が向上し、日本郵便の配達リソースの多様化も期待できます」
ドライバーの待機時間を有効活用し、ウィンウィンの仕組みが築けるといいます。
加賀郵便局・能瀬 宏行 局長:
「ゆうパック配達していただけるということは、やっぱりその部分だけ、人を人手が落とす(減らせる)ことができるもんで非常に助かりますし、非常に効率的だと思います」
加賀市・宮元 陸 市長:
「人口減少に立ち向かっていくためにも、物流とか旅客というのはもう切っても切れない。人手が不足をしてくるということが一番大きな問題なので、それをやっぱり集約して効率化して、今回の貨客混載というのは非常に有効だと思いますよね」
この貨客混載の実証事業は3月から始まります。