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【孤独死の現場】「孤独ではなかったはずが、なぜ一人で逝ったのか」—鹿児島・67歳男性の孤独死から見えた現実

2025年6月7日 23:00
【孤独死の現場】「孤独ではなかったはずが、なぜ一人で逝ったのか」—鹿児島・67歳男性の孤独死から見えた現実

今や社会問題と言われる“孤独死”去年、全国で亡くなった1人暮らしの人は約7万6000人に上り、県内でも800人近い人がいると推測されています。どうすれば防げるのか?孤独死の現場を取材し実態に迫りました。

■写真に残る笑顔…でも遺族は「処分してほしい」

今年3月、向かったのは鹿児島市の中心部に程近いアパートの一室です。

(内田キャスター)
「見つかった時はうつ伏せの状態?仰向けの状態ですか?」

(IP-STYLE 井之上 旭さん)
「恐らく横向きの状態ですね。横になって丸まった形で亡くなっていたのかな」

亡くなっていたのは67歳の男性。死後、3週間以上経った状態で発見されました。鹿児島市で特殊清掃の会社を営む、井之上 旭さん。年間80件近く孤独死の現場に入り、清掃を行っています。

この部屋で亡くなった中村 健三さん(仮名)家族との写真。何かの集まりでしょうか?10人程で笑顔で写ったものもありました。しかし…

(IP-STYLE 井之上 旭さん)
「ほとんどのご遺族が基本的には全部処分してくれと言う。写真も。どうしても疎遠になっている方が非常に多いので、言葉は悪いが写真も見たくないという方が実際に多い」

遺族が相続を放棄したのか、清掃の依頼は、アパートの所有者からでした。なぜ、中村さんは、この部屋で1人亡くなったのか知りたいと考え、私は取材を続けることにしました。遺品はすべて清掃会社によって運び出され、処分されました。

警察庁によると、去年1年間に自宅で亡くなった1人暮らしの人は、全国で約7万6000人に上ります。鹿児島でも800人近い、人が亡くなっていると推測され孤独死は、今や社会問題と言われます。

■つながりはあった・・・それでも届かなかった“助けて”

特殊清掃と遺品整理が行われてから1か月あまり・・・。中村さんの遺体を最初に発見した女性を見つけました。

(内田キャスター)
「こんばんは。すみません。失礼します」

中村さんが行きつけだった飲食店。店主の貞丸 リツ子さんです。10年以上の付き合いがあったそうです。