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屋久島の伝統野菜「かわひこ」を守りたい 子どもたちの思いとは…

2025年2月27日 19:27
屋久島の伝統野菜「かわひこ」を守りたい 子どもたちの思いとは…
屋久島に「かわひこ」という伝統の野菜があります。作る人が少なくなり、消滅の危機にあるといいます。この「かわひこ」を守ろうと、子どもたちが立ち上がりました。「かわひこ」を救ってほしい。子どもたちが送った手紙に心を打たれた鹿児島市のホテルの料理長が屋久島を訪れて「かわひこ」の美味しい食べ方を伝えました。

屋久島の神山小学校

(神山小学校の児童)
「神山小学校では、3年前から『かわひこ』を作り続けています。育てるのに時間がかかる『かわひこ』ですが、とてもおいしので是非、多くの人に知ってもらいたいと思います。そこでぜひ、天川シェフにご協力いただきたいと思い、お手紙を差し上げました」

屋久島を訪れたのは、鹿児島市・鹿児島サンロイヤルホテルの天川伸也料理長
5年前、ドイツで開かれた世界料理オリンピックで銀メダルに輝いた料理人です。

「かわひこ」は屋久島に昔からある伝統の野菜。里イモに似ています。作る農家が減り、消滅の危機にあるといいます。子どもたちは、校庭で育てる「かわひこ」を天川料理長と一緒に収穫しました。

(神山小学校の児童)
「今年は全然獲れなくて、伝統野菜を作るのは大変だと思った」

天候不良の影響もあり「かわひこ」は、予想したほど収穫できませんでした。

(鹿児島サンロイヤルホテル・天川伸也料理長)
「かわひこは、今まで私が手に取ったことがない野菜。可能性がある。いろんな料理が作れると思う」

 天川料理長は子どもたちと一緒に「かわひこ」を使った料理を作りました。世界料理オリンピック・メダリストの包丁さばきに教室では歓声があがります。

 天川料理長が子どもたちと一緒に作ったのは全部で3品。かわひこを使った煮込みハンバーグ、かわひこの肉まき、かわひこのスープです。天川料理長の指導をうけながら、子どもたちはペースト状にした「かわひこ」に豚肉を巻いていきます。3品は1時間ほどで完成。料理を口にすると、子どもたちは、かわひこを使ったハンバーグや肉巻きの美味しさに驚いてました。

(神山小学校の児童)
「うわ!うまっ!」
「ハンバーグとは思えないほど、もちもちで美味しい」
「かわひこが、ハンバーグなど、おいしい料理になって、復活しそうだと思いました」

(鹿児島サンロイヤルホテル・天川伸也料理長)
「伝統野菜がなくなっていくのは料理人としても悲しいと思いました。かわひこの生産が増えていけば、鹿児島市のホテルでも料理を作って多くの皆さんに食べて頂きたい」

(児童にかわひこ栽培を指導する中野八伯さん)
「今まで活動で行事食などを作ってきたが、かわひこを将来残していくために、創作料理を作ってもらうために、プロのシェフを招いて活動できたのはよかった」

屋久島にしかない伝統野菜「かわひこ」。子どもたちは、その可能性を再確認していました。
最終更新日:2025年2月27日 19:27