【5分で解説】「4病院再編」とは?ついに一区切り…結局どうなった?【そもそも.】
宮城県が進めてきた4病院再編について、5月9日、東北労災病院が移転を断念しました。
これまでの経緯を「そもそも」から見ていきます。
ここに至るまで紆余曲折も含め全容を見ていきます。
そもそも、4病院再編計画は村井知事の公約でもありました。
知事の意図として、大きく2つ。
まず一つ目は「病院施設の老朽化」
例えば、県立精神医療センター築45年に達しようとしています。
もう一つが「仙台市内に大きな病院が集中している」
これにより具体的な課題として、仙台市内と市外で、救急搬送にかかる時間に差が出ていると言います。
例を挙げますと、救急搬送時間が仙台市が48.1分の時に名取市が57.7分など、仙台市外のほうが長くなってしまっている傾向があるとのこと。
これらを解決するために4つの病院の再編をというのが知事の考えです。
4年前(2021年9月)最初に打ち出された計画は、赤十字病院と県立がんセンターを統合して「名取市」に県立精神医療センターと東北労災病院は合築して「富谷市」に移すというものでした。
左側の2つについては、2023年12月に基本合意。
2030年度をめどに名取市で新病院がオープン予定と話がまとまりました。
一方、右側は去年、精神医療センターが当事者である患者などからの反対の声もある中で、富谷市への移転をとりやめ名取市での建て替えを決めました。
これにより労災病院は「単独」で富谷市に移転するべく協議が続いていましたが、病院の経営悪化により叶わず…断念したということになります。
これを受け、各、自治体の反応を見ていきます。
計画を進めてきた宮城県の村井知事、「病院は、まだ仙台市に集中も再編計画はいったん終了今後は富谷をサポートする」と言っていました。
労災病院がある仙台市の郡市長は、「議論はまだ終わっていない仙台市の救急医療体制が充実しているとは言えない」と話しています。
仙台市としては引き続き、県にさらなる対話を求める姿勢ですね。
これまでも度々あった県から市への情報開示や説明についてですが、県としては「当事者である病院も絡んでくるので」と、出せる情報に限りがある事情も知事は話していました。
そして、労災病院の移転先となるはずだった富谷市の若生市長、「本当に残念今後、公募も視野に入れつつ引き続き病院の誘致を図る」としています。
その富谷市ですが…
去年12月までに、病院の建設予定地4.5ヘクタールの土地、その8割を約11億円かけて取得していました。
この土地が、一旦、宙に浮く形になってしまったというわけです。
若生市長は土地の環境から「価格が下がることは考えづらい」としていますが、税金を使って取得した土地の有効活用は急がれるところ。
何より、計画を進めてきた県として、仙台医療圏北部(富谷市や大衡村など)の救急搬送にかかる時間の短縮へ、どのような解決策を今後、示せるのか。注目する必要があります。