×

「びっくり」「心が痛い」東北労災病院、移転断念…富谷市は11億円で用地の8割取得済

2025年5月9日 18:26
「びっくり」「心が痛い」東北労災病院、移転断念…富谷市は11億円で用地の8割取得済

宮城県が進める4病院再編計画で、富谷市へ移転する構想だった仙台市青葉区の東北労災病院が移転を断念することになりました。

東北労災病院を運営する 労働者健康安全機構 大西洋英理事長
「東北労災病院の富谷市への移転を断念することとし、協議の終了をお願いする次第」

9日、県庁で開かれた協議の中で東北労災病院を運営する労働者健康安全機構の大西洋英理事長は、村井知事や富谷市の若生市長に富谷市への移転を断念する考えを伝えました。

移転断念の理由について「コロナ禍以降の患者数の減少や物価高などの影響で、グループ全体の経営悪化し、昨年度の収支が「大幅な赤字」となることが判明したため、移転に必要な資金の確保が難しいと判断した」としています。

これを受けて村井知事は、「コロナで環境が変わり物価高騰が課題となる中の苦渋の決断であるなら受け入れざるを得ない」と回答しました。

また、富谷市の若生市長も「市民には申し訳ないが受け入れざる得ない」と述べました。

富谷市への移転断念について市民からも落胆の声が聞かれました。

富谷市民
「私自身も来ると思っていたので、予想外というかびっくりしました」
「休日当番医とかも含めて少し大きな病院が富谷市にできると助かるなと」
「せっかく大きな病院が建つという計画だっただけにちょっと心が痛い感じ」

富谷市は、去年12月約11億円かけて病院用地の8割を取得していて、今後、仙台市から移転してくる病院がないか公募をして誘致することも検討しています。

富谷市 若生 裕俊市長
「富谷、黒川地域において救急・急性期を担う総合病院の 必要性は変わりがない。引き続き今後に向けて病院の誘致を継続していきたい」

村井嘉浩知事
「今度は富谷市のひとつの事業としてスタートするということであれば、それを県が側面からサポートする、後ろからサポートする形になるんじゃないかと思う」

一方、東北労災病院について当事者や関係者の声を聞き移転ありきで進めないでほしいとしていた仙台市の郡市長はきょう、次のように述べました。

郡仙台市長
「救急医療について、県がどのようにデータを集めているかという点についても県と仙台市では大きな齟齬があった。この議論はまだ終わっていないととらえています」

最終更新日:2025年5月9日 18:26