専門家に聞く情報セキュリティ、サイバー攻撃で…新たに宮城県内6000人分の卒業アルバムの個人情報漏えいか
仙台市の印刷会社がサイバー攻撃を受け、受注した卒業アルバムの個人情報が漏えいした可能性がある問題で、宮城県は新たに県内85校およそ6000人分が漏えいした可能性があると、発表しました。
宮城県教委によりますと、新たに情報漏えいの可能性が分かったのは、仙台市以外の85の県立高校や小中学校、幼稚園で、2023年度の卒業アルバムに掲載された氏名や写真およそ6000人分です。
仙台市青葉区の印刷会社「斎藤コロタイプ印刷」は、2024年7月にランサムウェアによるサイバー攻撃を受け、全国の卒業アルバムのデータ全国約2000校分の卒業アルバムのデータ17万件が漏えいした可能性があるとみられています。
情報セキュリティに詳しい東北大学の曽根秀昭特任教授によると、一般的なランサムウェアによるサイバー攻撃は、コンピューター内に侵入しファイルを壊すなどして身代金を要求するものです。
一方で、現在の学校の「卒業アルバム」には個人の住所は掲載されず、掲載されていた人が被害にあう可能性は低いと言います。
東北大学・データシナジー創生機構 曽根秀昭特任教授
「卒業生の顔写真と名前を入手したからといって、それでなにか収益化できることも考えにくいですし、被害の方についても顔写真と名前が漏れたからといって、金銭的な被害もすぐにはわかりにくいのでそこのところは謎だと思います」
ランサムウェアによる被害は年々増加していて、各企業や団体のセキュリティ対策の強化が求められています。
東北大学・データシナジー創生機構 曽根秀昭特任教授
「システムを強くしておくということ、それから攻められるかもしれないところには機微なファイルはあまり長いこと置きっぱなしにしないというあたりが、対策になると思います」
印刷会社へのサイバー攻撃を巡っては、4月11日に仙台市教委が27校のデータが漏洩した可能性があると発表しています。