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被爆体験者訴訟「私たちは被爆者だ」判決は9月9日 広島と同じような解決を原告団は期待《長崎》

2024年9月7日 6:00

(原告団長 岩永千代子さん)
「広島の “黒い雨体験者” を被爆者と認め、すでに手帳を交付している。同じような状況の私たちを認めていないのは、これは差別です。

総理に申し上げます。私たちは被爆者ではないのでしょうか」

岩永さんは、雨や灰などを浴びて病気に苦しんだ被爆体験者の絵を示しながら、一刻も早い救済を訴えました。

(岸田首相)
「早急に課題を合理的に解決できるよう、厚生労働大臣において長崎県 長崎市を含め、具体的な対応策を調整するよう指示する」

(原告団長 岩永千代子さん)
「私たちの目の前で指示をしたのはうそではないので、絶対に明るい方向に進展していくんじゃないか」

この場に立ち会うことができなかった濵田さんも…。

(原告 濵田 武男さん)
「そん時はね、これで大丈夫なんだと。やっぱり期待した」

“被爆者” として認めるという裁判長の言葉を、自らの耳で聞きたい。

濵田さんは、9日は裁判所に出向く予定です。

(原告 濵田 武男さん)
「だんだん行けない人が多くなってきているから、早くいい判決が出てほしい。広島同様に認めてくれると、大いな期待をしている」

(佐藤肖嗣アナウンサー)
ここからは裁判で何が争われているのか、被爆体験者問題の取材を続けている 加藤記者とみていきます。

(加藤小夜 記者)
今回の裁判では、被爆体験者の原告たちは “被爆者” として認定を求めています。

ですから最大の争点は、被爆者援護法に規定された『原爆放射能の影響を受ける事情の下にあった者』に当たるかどうかで これが認められれば、“被爆者” だということになります。

(佐藤アナウンサー)
『原爆放射能の影響を受ける事情の下』というのは、とても抽象的な文言ですね。

(加藤 記者)
この点について、広島の黒い雨を巡る裁判でも争われました。

国側は『科学的根拠が必要』などと主張していましたが、広島高裁は『原爆の放射線による健康被害が否定できない』ことを立証すれば足りるとしました。

そのうえで黒い雨に打たれるほか、水を飲んだり、野菜を食べたりして体内に放射性物質を取り込んで『内部被ばく』が起こり、それによって健康被害を受けた “可能性” を認めたのです。

『疑わしきは救済を』という原告に寄り添った画期的な判決でした。