「政治とカネをめぐる問題」「公共事業」「IR不認定」「国際航空便」2024県政を振り返る《長崎》
今年は、離島のトップの顔ぶれも変わりました。
壱岐市では46歳(当時)の 篠原 一生新市長が誕生。
五島市のトップには、49歳の出口 太 氏。
一方、対馬市長選挙で争点となったのは、原発から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場の誘致の是非でした。
推進派の新人と反対派の現職の一騎打ちの結果、反対を訴えた現職が勝利。
人口2万8000人の “国境の島” を揺るがしました。
(比田勝 対馬市長)
「豊かな島づくりを目指して、観光、一次産業を活用したた海業の振興など中心として、産業活性化対策にしていきたい」
県政を取り巻く課題も山積です。
1年前(去年)、資金調達の不確実性などを理由に国が、認定しないとの判断を示したカジノを含む統合型リゾート施設=「IR」のハウステンボスへの誘致。
県は、多大なコストや労力、時間が必要なことから、今の制度での再チャレンジは「相当程度ハードルが高い」との受け止めを先月、改めて示しました。
(湯川 亮一IR室長)
「現行制度では、IRに再チャレンジするというのは相当程度難しいのではないかと認識している」
ただ、県内ではIRへの “再チャレンジ” に期待を寄せる自治体や、企業などの動きも。
(大村青年会議所65周年企画委員会 宮村 仁士委員長)
「新たなエンジンとして、特定複合観光施設IRの誘致が大村湾のどこかに必要ではないかと考えている」
今後が注目されます。
解決の糸口が見えない川棚町で進む石木ダム建設事業は今年8月、公共事業の評価監視委員会で、完成時期を7年延長し、総事業費を当初の計画から1.5倍となる420億円に変更する方針が承認されました。
県は工期を7年延長し、2032年度末とする方針を示しましたが、建設に反対する住民との溝は深まるばかりです。
コロナ禍を経て、航空、観光業界の “再開” の動きが加速しています。
10月、長崎空港に降り立ったのは、韓国・ソウルからの国際航空便。
(大韓航空 李 碩雨 日本地域本部長)
「大韓航空の長崎線を応援してほしい。文化や歴史があり、韓国人が好きなゴルフがあり、温泉があり、素晴らしい地域だ」
約5年半ぶりとなった「ソウル便」の再開に続き、12月には「韓国・務安国際空港を直行で結ぶチャーター便」の運航も始まりました。
政府観光局が発表した今年1月から11月までに日本を訪れた外国人は、累計で約3338万人と過去最多だった2019年の通年を上回っています。
インバウンド獲得競争が激化する中、海外向けプロモーションの強化など対応が急がれる観光立県・長崎。
再生、成長が期待される巳年の来年、真価が問われる1年となりそうです。
【NIB news every. 2024年12月26日放送より】