×

絶やすな!日本の食文化「全国煮干しサミット」開催へ “消費低迷”打開願い、地元漁業者が企画《長崎》

2024年4月26日 6:45

▼「煮干し」に今、迫りくる “危機”

煮干しは、雲仙市の特産品。カタクチイワシのほか、マイワシやアジなど種類も豊富で、市内の多くの海産物店で販売されています。

美味しい煮干しを作るにはイワシの鮮度が重要で、港に水揚げされた新鮮なものをすぐに加工する県内の煮干しは、品質が高いといわれています。

しかし最近は、温暖化や担い手不足などによって、(カタクチイワシをはじめとした)県内の煮干しの生産量は、おととし3900トンあまりに。

(天洋丸 竹下千代太 社長)
「カタクチイワシの資源量が減っている」

生産量は年々減少。これに 反比例する形で取引価格は上昇しています。

天洋丸も所属する橘湾東部漁協では、価格が 前の年の約1.5倍になりました。

竹下さんは、消費低迷を心配しています。

▼全国初!「煮干し」について “語る・楽しむ・感じる”イベント

(天洋丸 竹下千代太 社長)
「長い目で見ると、煮干し加工の産業を残していかないと、将来、残っていかないのではないか。危機感を持ったときにはもう遅いので、今のうちにいろんな取り組みを始めないといけない」

こうしたことから 計画された “全国煮干しサミット”。

去年12月、地元漁協や雲仙市の職員などが実行委員会を立ち上げ、準備を進めてきました。

竹下さんは、実行委員長です。

(天洋丸 竹下千代太 社長)
「煮干しトークショーがあるので、ここの前くらいで挨拶」

サミットのテーマは、「煮干し」を“語る”、“楽しむ”、“感じる”の3つ。

煮干しのラーメンやグッズの販売、“雲仙煮干し大使”に任命された 歌手の鳥羽 一郎さんの歌謡ショー、煮干しの現状や未来について話し合うシンポジウムも行います。

煮干しをテーマにした大規模なイベントは、全国で初めてで、4月20日、21日に雲仙市で開催。

“煮干し尽くし”の2日間にするそうです。

(天洋丸 竹下千代太 社長)
「消費拡大に向けて、消費者にアピールするのもあるが、自分たちが煮干しの良さを“再認識”する機会でもある」

次ページ
▼無形文化遺産 “和食”を支える「煮干し」次世代継承へ