美容男子が発案!? 高校生が開発中「アジのうろこ活用のハンドクリーム」新ビジネスへの挑戦《長崎》
“アジフライの聖地” 松浦市の高校生が、魚のうろこを活用した商品を開発中です。
新たなビジネスにつなげようと研究を重ねています。
新たなビジネスを生み出そうと、3年前から実施されているビジネスプランコンテスト。
(彼杵茶のプレゼン)
「長崎県の食材をトッピングして、そのぎ茶漬けとして提供したい」
最高賞は賞金300万円。
評価するのは投資家です。
参加したのは、県内6つのコンテストのグランプリ受賞者など 9組。
その中には高校生の姿も…。
(松浦高校 竹田桧さん)
「私たちが住む松浦は “アジの水揚げ量 日本一”を誇り、大量のうろこを何かに活用できないかと、ウロコを活用したハンドクリームを作りたいと考えました」
提案したのは、若い男性をターゲットにしたハンドクリームの新商品です。
発案した山口真尋さんは17歳。
(松浦高校 山口真尋さん)
「高校生なんかが使いやすい美容製品が作れたらいいなと考えた」
アジの水揚げ量は日本一で、アジフライの聖地をうたう松浦市。
今回プレゼンした3人は、松浦高校に通います。
部活では、なぎなたに打ち込む山口さん。
去年、なぎなたの大会で全国3位に入賞した実力者です。
日々、練習に励む中で気になっていたことが…
(松浦高校 山口真尋さん)
「部活動は面をつけるけど、顔が乾燥してしまうので家に帰ってからお風呂あがりなんかに保湿してます。マストです」
美容にも関心の高い先輩に1年生の後輩は…。
(松浦高校 田川優心さん)
「髪型に関しては気にしてるのは、なんとなくわかる」
“美容男子” の山口さんが同級生の吉田夢那さん、竹田桧さんと取り組んだのが『ハンドクリームの開発』でした。
(松浦高校 山口真尋さん)
「アジフライを作る過程でも、いい所ばかりではない、廃棄があるかなというところので、アジの加工過程に注目して “うろこ” にたどり着いた」
うろこは、松浦市にアジフライの製造工場がある福岡市の水産会社「三陽」から無償で提供してもらえることに。
廃棄するうろこは、年間約30トンにのぼるそうです。
開発では、まずクリームの主成分となるコラーゲンの抽出に着手。
(松浦高校 吉田夢那さん)
「うろこを蒸留水につけて、80度の恒温槽につけてコラーゲンを抽出する」
抽出する方法は、長崎大学水産学部の研究室に教えてもらったそうです。
(松浦高校 山口真尋さん)
「長大に訪問する前に一度、実験を自分たちだけでやったけど、その時失敗した。アドバイス通りやったらゼリーのようなコラーゲンが抽出できて感動した」
硬度計を使った実験で調べたのは…。
(松浦高校 竹田桧さん)
「コラーゲンの硬さを測る。クリームになった時に伸びやすい伸びにくいがある程度わかる」
ところが抽出したコラーゲンの成分分析を専門業者に依頼したところ…
(松浦高校 山口真尋さん)
「結果を聞いたときは、自分たちに実験では限界があると思った」
塩分濃度が高く、不純物が多いことが判明。
今後は協力してくれる企業や、行政の力を借りて製品化を目指すことにしました。
(松浦高校 山口真尋さん)
「あきらめるのではなく、違うやり方で製品化を目指したい気持ちになった」
今月24日。
松浦の代表として臨んだ県内最大級のコンテスト『ミライ企業Nagasaki』。
投資家の評価は…。
(審査員)
「このプランすごく気に入ったけど、普通のコラーゲンとアジのうろこで作ったものの、コストの比較ってどんな感じなんでしょうか」
(松浦高校 山口真尋さん)
「明確に計算したことはないんですが、うろこを頂くだけだから無料で提供してくれることになっている」
1年間の成果を出し切った3人。
(松浦高校 竹田桧さん)
「いろんな人を巻き込みながらやっていくことで自分の夢に近づくのが早くなると感じた」
(松浦高校 吉田夢那さん)
「企業の方たちにすごく興味を持ってもらえてうれしかった」
開発への挑戦はまだまだ続きます。
(松浦高校 山口真尋さん)
「自分たちで出来ないことがたくさんあって先生方に助けられて私たちがここまでやってこられたと思う。この活動を製品化につなげます。頑張ります」