【医療ヘリ事故】ヘリの「救難信号」国交省と海保に届かず 県は同機種ドクターヘリの運航を休止《長崎》
6日に壱岐市の沖合で起きた医療搬送用ヘリコプターの事故で、ヘリからの「救難信号」が国土交通省と海上保安庁に届いていなかったことがわかりました。
県は事故を受け、同じ機種のドクターヘリの運航を11日まで休止すると発表しています。
この事故はおととい壱岐市の沖合で、対馬空港から福岡市の福岡和白病院に向かっていた医療搬送用ヘリが転覆しているのが見つかったものです。
ヘリには6人が乗っていて、患者の本石ミツ子さん、付き添っていた息子の和吉さん、医師の荒川渓さんが死亡しました。
国の運輸安全委員会は8日、ヘリを運航していた「エス・ジー・シー佐賀航空」に、航空事故調査官2人を派遣しました。
(調査官)
「運航状況や整備状況について調査する予定。機体を回収について、今後どうするかも含めて調整したい」
国交省などへの取材で、ヘリに搭載され救急時に自動で発信される「航空機用救命無線機」の救難信号が、国交省と海上保安庁に届いていなかったことが新たに分かりました。
国交省は救命無線機が正常に動かなかったことで、救助活動が遅れた可能性があるとみて、機体の整備状況を調べています。
また 7日に行われた生存者への聞き取り調査では、ヘリに備え付けられた「フロート」と呼ばれる浮き具を、何らかの理由で着水するために、機長が手動で出していたことが判明しています。
今回の事故を受けて県は、大村市の「長崎医療センター」に配備している同じ機種のドクターヘリについて、運航を11日まで休止すると発表しました。
9日から安全点検を行う予定で、休止期間中は「防災ヘリ」を代用するとしています。