【長崎くんち】今年の踊町と演じ物発表 金屋町の辞退で踊町は6つ くんちにも物価高騰の影響が《長崎》
秋の大祭「長崎くんち」の今年の踊町と演し物が、10日発表されました。
6つの踊町が勇壮に、時に華麗に舞い、踊り馬場を盛り上げます。
(長崎伝統芸能振興会 川添 弘之 副会長)
「くんちのしきたりに沿って、実施いたしてまいる所存」
国の重要無形民俗文化財に指定されている秋の大祭「長崎くんち」。
長崎伝統芸能振興会が開いた記者発表には、今年、演し物を奉納する6つの踊町の自治会長が出席しました。
西古川町は相撲にちなんだ「櫓太鼓」と「本踊」を披露です。
(西古川町 岩永 和之 自治会長)
「櫓太鼓は、相撲に関する演目。相撲の口上や甚句などをさせてもらう」
新大工町は華やかな「詩舞」と、山車が豪快に回る「曳壇尻」で観客を魅了します。
(新大工町 青木 賢三 自治会長)
「(曳壇尻は)1901年に奉納したという記録が残されているので、今回の奉納で124年目。現在、だんじりといわれるものを奉納しているのは新大工町だけ」
「龍踊」を披露するのは、諏訪町です。
青龍、白龍が天高く舞います。
(諏訪町 手塚 勝治 自治会長)
「龍方の3分の2が、新人としてやってもらうような形で準備を進めている。囃子方も含めて、大人数で奉納させてもらう」
榎津町は、船頭の網打ちが見どころの「川船」。
豪快に船を曳き回す姿は圧巻です。
(榎津町 城谷 富好 自治会長)
「今までの先輩たちが培ってきた伝統を継承し、新しい未来につながるような、勇壮で優麗な川船を奉納したいので、今から一生懸命みんなで努力する」
賑町は「大漁万祝恵美須船」。
大漁を祝う様子を表現します。
(賑町 渡辺 秀孝 自治会長)
「網打ち、網あげは、30分の間で一つのストーリーを考えている。ぜひみなさんに、堪能してもらいたい」
新橋町は「本踊・阿蘭陀万歳」。
長崎検番の芸妓衆によるコミカルな掛け合いが見所です。
(新橋町 本馬 健三 自治会長)
「先人たちが努力されてつないでこられたことを、ここで絶やすわけにはいかないということで継続を選んだ。次の世代につなぐをテーマとしてやっていこうと思う」
一方「本踊」を披露してきた金屋町は、出演を辞退することに。
人手不足などが理由だということです。
コロナ禍以降、物価高騰によって費用面の負担が大きくなっているといい、伝統を守り続けてきた踊町は頭を悩ませています。
(長崎伝統芸能振興会 踊町委員会 山下 寛一 委員長)
「正直言うとあすは我が身。衣装代、手ぬぐいなど、大体1.5倍から2倍の値段。また作るところも少なくなっていて、仕事量は一緒。非常に大変」
6つの踊町は、6月1日の「小屋入り」から本格的な稽古に入ります。
それから、約4か月後、10月7日から9日までの3日間、まちはくんちムードに包まれます。