夢は横綱そして母国へ希望を!ウクライナから避難の男子高校生 力士目指して奮闘《長崎》
▼関取の名前をすべて言えるほどの相撲好き少年は やがてウクライナ代表に
(長崎鶴洋高校 相撲部 髙橋 修 監督)
「一番びっくりしたのは、相撲が大好きなところ。大相撲の関取の名前もすべて、これは誰だ、これは誰だと答えられるぐらい」
チュグンさんが相撲に出会ったのは、5歳の時。
ウクライナで家族が連れていってくれたイベントがきっかけでした。
(エゴール・チュグンさん)
「(相撲の)スピードとパワーの組み合わせが面白くて。練習をやめられなくなった」
相撲の面白さに魅了され、13歳の時にはアマチュア相撲のウクライナ代表に選ばれるまでに成長します。
将来は、日本で力士になりたい。
夢を追い続ける日々を過ごしていましたが・・・。
▼ロシア軍の侵攻で兄は徴兵 友人はかえらぬ人に
ロシアによるウクライナ侵攻が始まり、生活が一変しました。
(エゴール・チュグンさん)
「家の近くに原子力発電所があって非常に危険な地域で、攻撃を受けたらウクライナ全土で被害が起こるような場所。私の友人は戦争で亡くなりました」
ウクライナ南部の都市、故郷・ミコライウ州もミサイル攻撃に。
18歳年上の兄、ユルヤさんも徴兵されたそうです。
そんな中、母タマーラさんの尽力で、日本への避難が実現しました。
▼日本へ導いてくれた母や祖国への思い
(エゴール・チュグンさん)
「とても心配で、毎日家族のことを考えている。(日本で生活できて)私はとても幸せで、両親の期待に応えたい」
来日して2か月。
最初は慣れなかった日本食ですが、今はほかの部員に負けじと、たくさんほおばります。
(友達)
「宿題フィニッシュ?」
(エゴール・チュグンさん)
「終わり、終わり」
(友達)
「嘘だろ、絶対」
仲間や先生と会話しながらの食事が、好きな時間だそうです。
そして、日本語の勉強も続けています。
(エゴール・チュグンさん)
「なくします、なくして」
先生「なくさない」
(エゴール・チュグンさん)
「あ、なくさないだ」
1日4時間の授業を、週に4日。
体も頭も目一杯使う努力の日々です。
(エゴール・チュグンさん)
「学校に入学ができて、とてもうれしい。先生も、生徒もすごく大好き」
(長崎鶴洋高校 相撲部 髙橋 修 監督)
「20秒を3セット」
(エゴール・チュグンさん)
「将来の夢は横綱になりたいです」
戦争が続く母国へ希望を届けるために。
きょうもまた、自身の相撲道を突き進みます。