“大切なものが次々と奪われていく” 全国に推計3万5000人「若年性認知症」への理解を!《長崎》
診断後も 体調をみながら仕事を続けていましたが、症状の進行に伴い、去年9月に退職しました。
(田中 豊さん)
「白い錠剤が認知症の薬、ドネペジル。こちらが補助の薬」
毎日、3回にわけて7種類の薬を飲んでいます。
去年、アルツハイマー病の新たな治療薬が発売され、保険適用の対象となりましたが。
(田中 豊さん)
「(年間)300万円くらいと聞いている。高額医療ということで、ちゃんと差額分は返してもらえるのはわかっているが、一時期でも1回10万円払うのは普通の人には厳しい」
障害者手帳を取得し、月に約10万円の手当を受けていますが、退職金を切り崩しながらの生活。
近く、引っ越しすることを決めました。
(田中 豊さん)
「引っ越しはしたくないのが本音。ただ住宅ローンやリフォームの金額が大きいので、月々の支払いを考えたら生活ができない」
家族は 妻・さおりさんと2人の子ども。
さおりさんにも持病があるため、料理は、長女 優香さんが担います。
(長女 優香さん)
「一味も二味も違うから、普段生活しているうえでの刺激が(ある)。今からもっと大変なことになると思うから、その時に合ったサポートで変えようと思う」
(田中 豊さん)
「(家族は)一番身近だから、一番 忘れたくない。病気が進行していけば、それもなくなっていくのかと、ずっと考えていたらきりがない。怖い」
家族のサポートを受ける日々。
症状の進行を感じていて、毎日の出来事を忘れないよう、日記をつけ始めました。
こうした悩みを共有し、多くの人にも知ってもらおうと田中さんが始めたのが交流会です。
(田中 豊さん)
「金井田さん、病気の調子はどう?」
話している相手は、54歳の時「若年性認知症」と診断された金井田 正秋さん 69歳。
(金井田 正秋さん)
「5年間は、7、8回怒ったり、徘徊したりがひどかった」