【被爆80年】平和を祈り8月9日に鳴鐘「原爆で壊された天主堂の鐘」アメリカ人らが復元し寄贈《長崎》

原爆によって破壊された「浦上天主堂の鐘」が、アメリカのカトリック信徒らによって復元、寄贈されました。
被爆80年を迎える今年の8月9日、核兵器も戦争もない世界への思いを込め、鳴らされます。
報道陣に披露されたのは、高さ66センチ、直径80.7センチの “青銅製の鐘” です。
「マンハッタン計画」に参加した医師の孫で、アメリカの大学教授のジェームズ・L・ノーラン・ジュニアさんと、現地のカトリック信徒らが、原爆投下によって壊された部分を復元し、寄贈しました。
500人以上の信徒が寄付をして、アメリカで制作されたということです。
(ジェームズ・L・ノーラン・ジュニアさん)
「80年間、失われていた “殉教者の賛美の響き” を、浦上の皆様の共同体に取り戻すお手伝いができることに謙虚に、そしてとても光栄に感じている」
(カトリック長崎大司教区 中村 倫明 大司教区)
「新しい鐘が浦上教会で響き続けていくことは、長崎市や日本国、アメリカ国、そして全世界にとって、大きな意義があるものであると考えた」
爆心地から約500メートルにある「浦上天主堂」。
かつて、2つの鐘楼にそれぞれ鐘がつるされていましたが、1945年8月9日の原爆投下により北側の鐘は大破。
爆風に耐えたもう一方の鐘が1日3回、時を告げています。
平和への祈りが込められた新しい鐘。
今月24日から来月1日まで浦上天主堂で展示した後、7月17日以降、鐘楼に設置される予定です。
(ジェームズ・L・ノーラン・ジュニアさん)
「浦上天主堂に2つ目の鐘が取り付けられ、戦争終結と核兵器廃絶を願って鳴り響いてほしい」
今年の8月9日の、原爆投下時間 “午前11時2分" に、初めて鳴らされるということです。