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47年の歴史に幕 市民の情報源として愛され続けた情報紙 「ライフさせぼ」最終号に込めた思い《長崎》

2024年5月15日 6:45

浦郷 誠さんは、佐世保生まれの佐世保育ち。入社から35年にわたり携わってきました。

一番の思い出は『ライフさせぼ』が元になった「佐世保弁辞典」の制作だと話します。

(ライフ企画社 浦郷 誠さん)
「毎週 “佐世保弁”を一言載せて、解説を書いていた。それを一冊にぐっとまとめたものを発行したんです。全国から問い合わせが、佐世保出身の人が欲しいといって。すごく皆さんに評判が良くてベストセラー。それが一番、思い出に残っている」

毎週欠かさず、市民の元へ。反響を呼んだものも多くあります。

1992年の「680号」は、開園間近のハウステンボスを紹介。記者自身がレポートし、何が体験できるのかを市民目線で伝えました。

また、1999年の「1051号」では、東京までを結ぶJRの寝台特急列車「さくら号」の廃止を取り上げ、その歴史を紐解いた特集に。

しかし、時は流れてインターネットやSNSが普及。

ローカル情報紙の役目は果たしたとして、2243号を最後に「終刊」とすることを決めました。

最終号は、通常の2倍の16面で発行。

150通以上寄せられた “読者のメッセージ”を載せるためで、一つ一つをじっくり読んだ上で、掲載へにつなげます。

最終号の閉め切り間近。福岡の印刷会社にデータを送るため、スタッフみんなで最後のチェックを進めます。

(ライフ企画社 浦郷 誠さん)
「何回やっても、間違いがいっぱい出てくる」

(ライフ企画社 新井 光さん)
「本当に今回が最後の号ということで、間違いや誤字脱字も含めて替えが効かないので、より神経を使う」

作業に4週間を費やした最終号。チェックも終わり、福岡の印刷会社へデータを送りました。

(ライフ企画社 浦郷 誠さん)
「ばたばたしていたが、とりあえず一息つける。もうなくなると思ったら、さみしくなるかもしれない」

翌朝、出来上がった最終号が福岡から届きました。