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ドイツ出身の妻と夫婦2人「環境にやさしく、表情ゆたかな作品を」波佐見焼の新工房で挑戦《長崎》

2024年3月29日 6:45

▼「仲直り」も大事な仕事のひとつ

家庭でも、2人3脚は変わりません。

今は2歳と5歳の2人の子育ての真っ最中。食事の用意も洗濯も、すべて2人で行います。

喧嘩も多いそうですが、お互いを支えながら、仕事と育児を両立しているんです。

(妻 ミリアムさん)
「仲直りするのはだいぶ上手になってきたね」

(綿島 健一郎さん)
「(けんかすると)仕事がはかどらない。仲直りをするのが仕事」

そんな2人は、今年、新しい挑戦を始めるため、新しい工房に引っ越しました。

(綿島 健一郎さん)
「これは電気窯。前はガスで焼いていたが、変えた」

これまでガス窯で続けてきた器づくりを電気窯に変えたのです。

▼電気窯に変えたワケ「地球環境を犠牲にしたくない」

(綿島 健一郎さん)
「ガスも使うし一酸化炭素も輩出する。化石燃料を使ってCOガスを出していて、地球環境を犠牲にしているのは間違っている」

子どもたちの未来のためにも、自然への負荷がかからない作り方を選んだのです。

ただ、窯を変えれば、器の出来具合も変わります。

この日は大きい電気窯での最初のテスト。

焼きあがったものは・・・

(綿島 健一郎さん)
「ちょっとクリーム色になる。酸化で焼くと。還元で焼くとこんな普通の白で酸化で焼くと黄色みがかったような色になる」

ガス窯は「炎」で直接、器を焼きますが、電気窯は電熱線を温めた「熱」で焼くため、原料が同じでも、仕上がりに違いが生まれるのです。

(綿島 健一郎さん)
「ほぼすべてかわる。生地の色も変わるし、焼き締まり方も変わるし、絵の具の発色とか釉薬の解け具合とか全部変わる」

これまでのやり方を全て変えて、新しい窯に合わせた方法に。

目指すのは、温かみを感じる器です。

(妻 ミリアムさん)
「黄色みが多い焼き上がりになっていて、緑も黄色っぽくなる。ちょっと調整した」

伝統の和紙染で絵付けするのはミリアムさん。

新商品の子ども用食器に描いたのは、動物や昆虫。思わず心が弾む器が出来上がりました。