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長崎くんち【銀屋町・鯱太鼓】「銀屋町は心意気」を合言葉にいざ大舞台へ 鯱を呼び覚ます据太鼓《長崎》

2024年10月4日 6:45

(据太鼓リーダー 中野 奈緒さん(42))
「機会があれば、親子共演は夢だったので (一緒に)出られると思うとうれしい。鯱を天高く上げられるように、いい奉納ができるように頑張るね」

(長男 葵さん(8))
「宇宙を超えたいね」

据太鼓のメンバーが演奏する「昇龍」。

“鯱を天高く昇らせるように” との思いが込められています。

作曲したのは、1985年から奉納が始まった鯱太鼓の創設メンバーの一人である 故・高木 忠弘さんです。

(高木 忠弘さん(享年72))
「男らしさ 心意気 それだけしかない。一生懸命さを見てもらえばいい」

鯱太鼓の奉納は今年、6回目を迎えます。

以前の銀屋町は 本踊などを奉納していましたが、独自の演し物を作り上げようと高木さんらが奔走しました。

その高木さん、長采を務めるなど 長年にわたり銀屋町を支えてきましたが、4年前、72歳で亡くなりました。

高木さんの命日には、師匠を慕う銀屋町のメンバーやOB、OGら約50人が次々と墓参りに訪れました。

そこには、息子 葵さんを連れた中野さんの姿も。30年近く、高木さんから指導を受けてきたそうです。

(据太鼓リーダー 中野 奈緒さん(42))
「この子が生まれた時に高木さんも抱っこしてくれたので、一緒に出られることは 高木さんも喜んでくれていると思う。一生懸命やらなければと、気持ちが引き締まった」

”師匠が見守る大空まで 鯱を天高く舞い上がらせる”

メンバーの結束を深める1日となりました。

6月の小屋入り後、平日はほぼ毎日、稽古を行ってきた銀屋町。この日は最後の場所踏みです。

(稽古前の掛け声)
「蓬莱鯱伝説。担手は波の力、棒先は風の勢い、櫓太鼓は心臓の鼓動、据太鼓は意識の覚醒、采は魂の祈り、魂込めて。
”心意気だぜ” ホーライコ」

稽古の前には、師匠がよく口にしていた ”心意気” という言葉を合言葉に、気合いを入れます。